はじめに
ボウリングで「もっとオイルに敏感になりすぎず、狙ったラインを安定して投げたい」と感じたとき、候補に入れたいのがウレタンボールです。
その中でも長年にわたって高い評価を受けてきたのが、Storm(ストーム)のピッチブラック。そして現在注目されているのが、78D仕様の「Pitch Black 78/U」です。
従来のピッチブラックが持つ「手前から中盤にかけての安定した動き」と、ウレタン特有の扱いやすさを活かしたボールで、特にショートオイルや荒れたコンディションで強さを発揮します。
ピッチブラック78/Uのスペック
Storm公式資料によると、ピッチブラックはControll Solid UrethaneカバーにCapacitorコアを採用し、工場出荷時の表面仕上げは1000グリットです。16ポンドの場合、RGは2.56、Differentialは0.023、フレアポテンシャルはMedium-Lowとされています。
| 項目 | 内容 |
| ボール | Storm Pitch Black 78/U |
| カバーストック | Controll Solid Urethane |
| コア | Capacitor |
| コアタイプ | シンメトリック |
| 表面仕上げ | 1000グリット |
| カラー | ブラック |
| フレアポテンシャル | Medium-Low |
| 推奨ウェイト | 12~16ポンド |
※78D仕様については、購入時にメーカー・販売店の最新スペックを確認することをおすすめします。
ピッチブラック78/Uの特徴
最大の魅力は「動きの読みやすさ」
ピッチブラックの最大の特徴は、なんといっても非常に読みやすいボールモーションです。
リアクティブボールのようにバックエンドで急激に向きを変えるタイプではなく、レーン中盤からゆっくりと転がりながらポケットへ向かっていきます。
そのため、
「ここまで転がって、ここから曲がる」
というボールの動きが非常にイメージしやすいのが特徴です。
特にショートパターンでは、ボールが先まで走りすぎて一気に曲がるボールよりも、ピッチブラックのような手前から中盤を安定して使えるボールのほうがラインを作りやすいケースがあります。
Storm自身もピッチブラックを木製レーンやショートオイルパターン向けのボールとして位置付けています。
ウレタンらしい「強すぎない曲がり」
ピッチブラックは、曲がり幅を大きく出すことよりも、曲がりの強さをコントロールすることに優れています。
レーン手前で適度に摩擦を感じ、中盤では安定して前進し、バックエンドでは急激に跳ねずにポケットへ入っていく。
この動きは、オイルが少ないコンディションやショートオイルで特に扱いやすいです。
また、フレアが比較的小さいため、ボールがレーン上で大きく方向転換しにくいのもポイント。
「曲げたい」というより、
「曲がりすぎて困るのを防ぎたい」
という場面で非常に頼りになるボールです。
どんなコンディションに強い?
ピッチブラック78/Uが特に活躍するのは、以下のようなコンディションです。
◎ ショートオイル
最も得意とするコンディションのひとつ。
ショートパターンでは、先で急激に曲がるリアクティブボールだと、少しのミスが大きな失投につながることがあります。
ピッチブラックなら動きが穏やかなため、インサイドから無理に角度をつけなくてもポケットを狙いやすくなります。
◎ オイルが薄いレーン
オイルが少ないレーンでは、強いリアクティブボールは手前で早く反応してしまうことがあります。
そんなときにピッチブラックを使うことで、ボールの動きを抑えながらラインを作ることができます。
◎ スポーツコンディション
左右のオイル差が小さいコンディションでは、リアクティブボールの強いバックエンドリアクションよりも、ウレタンの緩やかな動きが武器になることがあります。
特に「ボールの動きを正確に読みたい」というボウラーには魅力的です。
逆にハウスコンディションでは?
ハウスコンディションでは、ピッチブラックが必ずしも万能とはいえません。
一般的なハウスショットでは外側のドライゾーンを利用してボールを強く戻すラインが作れるため、リアクティブボールのほうが簡単にストライクを出せるケースがあります。
ピッチブラックではバックエンドの動きが穏やかなため、
「もっと先で曲がってほしい」
「もう少しポケットに強く入ってほしい」
と感じることもあります。
実際、ボウリングコミュニティでも、ハウスショットよりトーナメントや特殊なコンディションでピッチブラックの性能を評価する意見が見られます。
ピッチブラック78/Uの投げ方
このボールは、無理に回転を増やさない投球と相性がいいでしょう。
基本的には、
- ボールスピードを安定させる
- 軸を安定させる
- 必要以上に外へ出しすぎない
- ポケットへ向かって自然に転がす
というイメージがおすすめです。
特にショートオイルでは、外へ出しすぎるとボールが早く摩擦を受けるため、ややタイトなラインから攻めることで安定することがあります。
また、回転数が多いボウラーの場合は、ピッチブラックの「曲がりすぎない」というメリットがより分かりやすいでしょう。
メンテナンスも重要
ウレタンボールは表面状態によって動きが変化します。
ピッチブラックの工場仕上げは1000グリットで、Stormは定期的な表面メンテナンスを推奨しています。公式資料では、20ゲーム程度を目安に最終工程で表面を整え、30~50ゲームごとに完全なリサーフェスを行う方法が案内されています。
「最近、以前より先で動くようになった」と感じた場合は、表面状態を確認してみるといいでしょう。
ピッチブラック78/Uはこんな人におすすめ
おすすめしたいのは、
- ショートオイル用のボールが欲しい
- ウレタン特有の安定した動きが好き
- リアクティブボールでは曲がりすぎる
- スポーツコンディションで使えるボールが欲しい
- ボールの動きを読みやすくしたい
- スペアボールとは別に、弱いカバーストックのボールが欲しい
- 手前から中盤を安定して転がしたい
というボウラーです。
一方で、普段のハウスショットで「大きく曲げてストライクを出したい」という人にとっては、最初の1個として選ぶよりも、リアクティブボールを揃えたうえで追加するほうがメリットを感じやすいでしょう。
まとめ
ピッチブラック78/Uは、「曲がらないボール」ではなく「曲がりをコントロールするためのボール」です。
派手なバックエンドリアクションはありません。
しかし、だからこそレーン上での動きを予測しやすく、ショートオイルや高フリクションのコンディションでは大きな武器になります。
Capacitorコアによる低めのフレアポテンシャルと、Controll Solid Urethaneカバーの組み合わせによって、ピッチブラックらしい滑らかで安定したボールモーションを作り出しています。
ストライクを「派手に取る」ためのボールというより、難しいレーンで投球を安定させ、ポケットを確実に狙うためのボール。
そんな位置付けで考えると、ピッチブラック78/Uの魅力がよく分かります。
個人的な評価
総合評価:★★★★☆ 4.5 / 5
- コントロール性:★★★★★
- 安定感:★★★★★
- ショートオイル適性:★★★★★
- バックエンドの強さ:★★☆☆☆
- ハウスショット適性:★★★☆☆
- スポーツコンディション適性:★★★★★
- 扱いやすさ:★★★★★
「強いボールではなく、正確に使えるボールが欲しい」
そんなボウラーにとって、ピッチブラック78/Uは非常に魅力的な選択肢です。


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