はじめに
「最近のボール、ちょっと強すぎない?」
そんなことを感じているボウラーに、かなり気になる新作が登場しました。
STORM(ストーム)から2026年9月発売予定のIQツアー・サファイアです。
今回のサファイアで注目したいのは、単純に「よく曲がる最新ボール」を目指していないところ。
IQシリーズ伝統のC3セントリピタル・コントロールコアに、名作カバーとして知られるR2Sパールリアクティブを組み合わせ、さらに表面をPower Edge™で仕上げています。
つまり狙っているのは、
手前はしっかり走る。
奥では動く。
でも、暴れすぎない。
というIQシリーズらしい扱いやすさ。
近年の強いリアクティブボールとは少し違った方向性を持つ、非常に興味深い一球です。
今回は2026年9月時点の最新情報をもとに、IQツアー・サファイアのスペック、特徴、ボールモーション、向いているレーンコンディション、IQツアーエディションとの違い、そしてどんな人におすすめなのかまで詳しく紹介します。
2026年版IQツアー・サファイアとは?
IQツアー・サファイアは、STORMの人気シリーズ「IQツアー」に加わった2026年の新作です。
日本では2026年9月発売予定。
実は「IQツアー・サファイア」という名前のボールは過去にも存在しており、2020年にも日本で発売されています。
そのため、
「昔のサファイアの復刻版?」
と思う人もいるでしょう。
確かに、
R2Sパールリアクティブ
×
C3セントリピタル・コントロールコア
という基本構成は共通しています。
しかし2026年版では表面仕上げにPower Edge™を採用。
現在のレーンコンディションに合わせ、手前での長いスキッド性能とIQシリーズらしい読みやすいバックエンドモーションを狙った仕様になっています。
また、R2Sパールを搭載したIQシリーズとしては、2021年発売の「IQツアールビー」以来となります。
IQファンにとっては、かなり待望の一球ではないでしょうか。
IQツアー・サファイアのスペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | STORM(ストーム) |
| ボール名 | IQツアー・サファイア |
| カバーストック | R2S™ パールリアクティブ |
| コア | C3™ セントリピタル・コントロールコア |
| RG | 2.490(15ポンド) |
| ΔRG | 0.029(15ポンド) |
| マスバイアス差 | N/A |
| フレア | Medium-Low |
| 硬度 | 73〜75 |
| 表面仕上げ | Power Edge™ |
| カラー | サファイア |
| 適正レーン | Medium |
| 取扱ウェイト | 12〜16ポンド |
| フレグランス | ブルーベリー |
| 日本発売 | 2026年9月予定 |
スペックだけ見ると、非常に「IQらしい」構成です。
RGは2.490と低め。
一方でΔRGは0.029と低く抑えられています。
この組み合わせによって、早い段階から転がりを作りながらもフレアを必要以上に大きくせず、ボールの動きを読みやすくしています。
そして今回、そのコアにR2Sパール+Power Edgeを合わせています。
ここが2026年版サファイア最大のポイントです。
2026年版IQツアー・サファイア最大の特徴
一言で表現するなら、
「走るIQ」
ではないでしょうか。
最近のボウリングボールはカバーストックがかなり強くなっています。
オイルに強く、中盤からしっかりキャッチして大きく曲がってくれる。
もちろん、それは大きな武器です。
しかしレーンコンディションによっては、
「そこまで噛まなくていいんだけど……」
という場面も出てきます。
特にゲーム数が進んで手前のオイルが削れてくると、強いボールではフロントからエネルギーを使いすぎてしまうことがあります。
そこでIQツアー・サファイア。
R2SパールとPower Edgeによって手前をスムーズに通過させながら、C3コアによって奥で安定した方向転換を作る。
強さではなく、扱いやすさで勝負する。
これこそ今回のサファイアの面白さだと思います。
R2Sパールが復活!
IQツアー・サファイアを語るなら、R2Sパールは外せません。
R2SはSTORMを代表するカバーストックのひとつ。
現在の非常に強いカバーストックと比較すると、絶対的なオイルへの強さを狙った素材ではありません。
しかし、
手前で走らせやすい
↓
中盤でエネルギーを使いすぎない
↓
奥へエネルギーを残せる
という魅力があります。
特に今回のサファイアでは、Power Edge仕上げとの組み合わせによってフロント部分でのクリア性能が期待できます。
ボールを手前から無理に曲げるのではなく、必要な場所まで運んでから曲げる。
この感覚が好きな人には、かなり魅力的なカバーではないでしょうか。
Power Edgeで何が変わる?
2026年版を語る上で重要なのが、
Power Edge™
です。
過去の日本版IQツアー・サファイアは1500グリット・ポリッシュ仕上げでした。
それに対して2026年版はPower Edge仕上げ。
Power Edgeによってフロント部分でのスムーズなスキッド性能を引き出し、ブレイクポイントまでエネルギーを残す方向に仕上げられています。
つまり、
昔のサファイアとまったく同じボールではありません。
「R2Sパール×C3」という名作級の組み合わせを、現在のボウリング環境に合わせてアップデートした。
そんな見方をすると非常に面白いと思います。
C3セントリピタル・コントロールコアがやっぱり優秀
IQシリーズの心臓部ともいえるのが、
C3セントリピタル・コントロールコア
です。
このコアの魅力は名前にもある通り「コントロール」。
15ポンドでRG 2.490、ΔRG 0.029。
比較的低いRGによって転がりを作りやすくしながら、低めのΔRGによってフレアを抑えています。
結果として、
「急激に向きを変える」
というより、
「ボウラーが予測しやすい形で向きを変える」
というIQ独特のモーションにつながります。
走りの出るR2Sパールを搭載しても、奥で必要以上に暴れにくい。
このバランスがIQシリーズの人気を支えてきた理由のひとつでしょう。
実際にどんな動きをする?
2026年版IQツアー・サファイアの動きを、
フロント→ミッドレーン→バックエンド
の3段階で考えてみます。
①フロント|かなり走りを感じやすい
まず手前。
ここは今回のサファイアでかなり重要です。
R2Sパール+Power Edgeなので、手前で余計な摩擦を起こしにくく、スムーズにレーンを進んでいくタイプ。
特にゲーム後半など、
「手前がなくなってきたな……」
という場面で、この走りが大きな武器になります。
②ミッドレーン|走るだけじゃない
ここからIQらしさが出てきます。
単純な走り系パールなら、ミッドレーンでも滑り続けてしまうことがあります。
しかしサファイアにはC3コアがあります。
低RGによってボール自体はしっかり転がろうとするため、
「走るけど抜けっぱなしになりにくい」
というバランスが期待できます。
ここが普通のスキッド・フリップ系ボールとの違いです。
③バックエンド|キレるけど暴れにくい
そして奥。
ここがIQツアー・サファイア最大の見どころ。
R2Sパールらしく、ドライゾーンへ入ればしっかり方向転換します。
しかしC3コアの特性によって、極端に横へ飛ぶような動きではなく、比較的読みやすい形でポケット方向へ向かいます。
イメージとしては、
「ドカン!」ではなく「クッ」と向いて、そのまま前へ進む。
バックエンドの動きは感じられる。
でも怖くない。
そんなボールを求めている人にはかなり面白い存在になりそうです。
どんなレーンで使いやすい?
メーカーが設定している適正レーンは、
Medium(ミディアム)
です。
ただし、実際の使いどころを考えるなら、
ミディアム〜レーン変化後
あたりがかなり面白そうです。
例えばリーグ戦。
1ゲーム目は強めのソリッドで問題なく投げられていた。
ところが2ゲーム目、3ゲーム目になるにつれて手前が削れてくる。
すると、
「さっきまで良かったボールが急に早く曲がる」
ということがあります。
そこでサファイアへチェンジ。
手前をPower Edgeで飛ばし、奥までエネルギーを運ぶ。
まさにこういうボールチェンジが考えられます。
ゲーム後半の武器になりそう
個人的に2026年版IQツアー・サファイアで一番注目したいのがここです。
トランジションへの対応力。
ボウリングは1ゲームだけなら、ある程度強いボールで押し切れることもあります。
難しいのはゲーム数が増えてから。
投球数が増えるにつれてオイルが削れたり伸びたりして、最初に作ったラインが使えなくなります。
強いボールで立ち位置を左へ移動して対応する方法もあります。
しかし、それでも手前から噛んでしまう。
そんなとき、
「もっと弱いボールに落として手前を飛ばす」
という選択肢が必要になります。
IQツアー・サファイアは、その役割を担える可能性が高いボールです。
大会やリーグ戦で複数ゲームを投げる人ほど、価値を感じやすいと思います。
IQツアーエディションとの違いは?
IQシリーズを使っている人が一番気になる比較でしょう。
IQツアーエディションはR2Sソリッドを搭載。
一方、
IQツアー・サファイア=R2Sパール
です。
同じC3コアを使用しているため、基本的な安定感は共通しています。
しかしカバーと表面が違うため、レーン上での役割は明確に変わります。
IQツアーエディション
手前から比較的安定して転がり、中盤を読みながら滑らかに曲がる。
IQツアー・サファイア
手前をよりスムーズに通過し、奥へエネルギーを残して方向転換する。
簡単に言えば、
「早めに読ませたいならIQツアーエディション」
「もう少し奥まで走らせたいならIQツアーサファイア」
という使い分けが考えられます。
この2個は競合というより、むしろセットで持つと面白い組み合わせです。
IQツアールビーとの関係も気になる
今回のサファイアは、2021年のIQツアールビー以来となるR2Sパール搭載IQです。
ルビーを使っていた人なら、
「やっとこのタイプのIQが帰ってきた!」
と感じるかもしれません。
実際、基本構成は非常に近いものがあります。
ただし2026年版サファイアではPower Edge仕上げが採用されています。
そのため、
「ルビーのようなIQらしいパールモーションを、2026年仕様にアップデートしたボール」
という捉え方をすると分かりやすいでしょう。
ルビーが好きだった人には、かなり注目してほしい新作です。
強いボールばかりのバッグに入れたい1個
最近のボールラインナップを見ていると、どうしても強いボールが増えがちです。
ヘビー用。
ミディアムヘビー用。
強めのパール。
強めのソリッド。
気付いたら、
「全部強いじゃん!」
というバッグになっていることがあります。
しかし実際にリーグや大会へ出ると、必要になるのは強いボールだけではありません。
手前が削れたとき。
レーンが速く変化したとき。
強いボールではポケットまでエネルギーが残らなくなったとき。
こういう状況に対応できるボールが必要です。
そこでサファイア。
バッグの中で一番派手なボールにはならないかもしれません。
しかし、
「困ったときに一番頼れるボール」
になる可能性があります。
IQツアー・サファイアがおすすめな人
特におすすめしたいのは、
- IQシリーズが好きな人
- IQツアールビーが好きだった人
- 走りの出るパールが欲しい人
- バックエンドは欲しいけれど暴れてほしくない人
- ミディアム用のボールを探している人
- ゲーム後半用のボールを探している人
- 強いボールばかり持っている人
- レーン変化への対応球が欲しい人
- コントロール性能を重視する人
- 大会やリーグ戦で複数ゲーム投げる人
特に、
「最近のボールは強すぎる」
と感じている人にはチェックしてほしい一球です。
逆におすすめしにくい人
IQツアー・サファイアは万能ではありません。
例えば、
「ヘビーオイルでとにかく曲げたい」
という目的なら、もっと強いカバーを搭載したボールのほうが適しています。
また、
「奥で猛烈に横へ飛ぶボールが好き」
という人にも少し物足りなく感じる可能性があります。
サファイアの魅力は絶対的な曲がり量ではありません。
曲がりをコントロールできること。
ここに価値を感じるかどうかで評価が変わるボールだと思います。
2026年版IQツアー・サファイアを5段階評価
スペックやメーカー発表のボール特性から評価すると、個人的にはこんなイメージです。
| 項目 | 評価 |
| 走り | ★★★★★ |
| バックエンド | ★★★★☆ |
| オイルへの強さ | ★★☆☆☆ |
| コントロール性能 | ★★★★★ |
| 扱いやすさ | ★★★★★ |
| ミディアム適性 | ★★★★★ |
| レーン変化への対応 | ★★★★★ |
| ヘビーオイル適性 | ★☆☆☆☆ |
| IQらしさ | ★★★★★ |
※投球スタイル・レイアウト・ボールスピード・回転数・レーンコンディションなどによって実際のボールモーションは異なります。
2020年版と2026年版の違い
同じ「IQツアー・サファイア」という名前なので、ここは間違えないようにしたいポイントです。
大きな違いのひとつが表面仕上げ。
2020年版
1500グリット・ポリッシュ
2026年版
Power Edge™
一方で、
R2Sパールリアクティブ
C3セントリピタル・コントロールコア
RG 2.490
ΔRG 0.029
という15ポンドでの基本構成は引き継がれています。
つまり完全に別物へ作り替えたというより、
「サファイアの良さを残しながら現代仕様にアップデートした」
と考えると分かりやすいでしょう。
まとめ
2026年のIQツアー・サファイアは「強すぎないこと」が最大の武器
2026年9月、STORMから登場するIQツアー・サファイア。
R2Sパールリアクティブ。
C3セントリピタル・コントロールコア。
そしてPower Edge。
スペックだけを見ると、最新の超高性能コアを搭載した派手な新作ではありません。
でも、それでいい。
むしろ、
そこがサファイア最大の魅力です。
現在は強いカバー、強いコアを搭載したボールがたくさんあります。
しかし実際のレーンでは、
「強いボールでは手前から噛みすぎる」
「もう少し奥まで走ってほしい」
「パールへ変更したら今度は先で暴れる」
という場面があります。
IQツアー・サファイアが狙っているのは、まさにその隙間。
手前は軽快に走る。
ミッドレーンでは安定する。
奥ではしっかり向きを変える。
それでも暴れすぎない。
この絶妙なバランスこそ、IQシリーズが長年支持されてきた理由ではないでしょうか。
最新ボールだからといって、必ずしも強くする必要はない。
むしろ2026年の今だからこそ、
「扱いやすいボール」の価値が改めて大きくなっている。
IQツアー・サファイアは、そんなことを感じさせてくれる新作です。
IQファンはもちろん、ミディアム用やゲーム後半用のパールを探しているボウラーなら、2026年秋にぜひチェックしておきたい一球です。



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