はじめに
「アストロフィジックスが好きだった」
そんなボウラーなら、アストロフィジックス2という名前を見ただけで気になったのではないでしょうか。
STORMのフィジックスシリーズには数多くの人気モデルがありますが、その中でも初代アストロフィジックスは「走って、奥でしっかり向きを変える」という分かりやすいリアクションで人気を集めたボールです。
そして、そのコンセプトを受け継いで登場したのがアストロフィジックス2(ASTROPHYSIX II)。
R2Sパールリアクティブとアトミックコアという、初代を思わせる組み合わせを採用しながら、表面仕上げにはリアクタグロスを採用。
「手前は走らせたい。でも奥で動かないボールは嫌だ」
そんな場面で非常に面白い選択肢になるボールです。
この記事では、アストロフィジックス2のスペックだけではなく、実際にどのようなコンディションで使いやすいのか、初代アストロフィジックスとの違い、どんなボウラーにおすすめなのかまで詳しく解説します。
アストロフィジックス2とは?
アストロフィジックス2はSTORMから発売されたフィジックスシリーズのパールリアクティブモデルです。
最大のポイントは、
R2S Pearl Reactive × Atomic Core
という組み合わせ。
フィジックスシリーズらしい強い転がりとピンアクションを残しながら、レーン手前では比較的スムーズに進み、バックエンドでしっかり向きを変えてくれる設計になっています。
近年のSTORMには強いカバーストックを搭載したボールも多いため、R2Sという比較的扱いやすいカバーを採用していることも、このボールの個性と言えるでしょう。
単純に「よく曲がるボール」というより、
走り・曲がり・ピンアクションのバランスを取ったフィジックス
というイメージのほうが近いと思います。
アストロフィジックス2のスペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | STORM(ストーム) |
| ボール名 | ASTROPHYSIX II(アストロフィジックス2) |
| カバーストック | R2S Pearl Reactive |
| コア | Atomic Core |
| コアタイプ | 非対称コア |
| 表面仕上げ | Reacta Gloss |
| RG(15lb) | 2.480 |
| ΔRG(15lb) | 0.053 |
| MB差(15lb) | 0.017 |
| 硬度 | 73〜75 |
| カラー | シアン+インディゴ+チャコール |
| 対応重量 | 12〜16ポンド |
| 適応コンディション | ミディアム |
| 発売時期 | 2024年3月 |
※RG・ΔRG・MB差は15ポンドの数値。
数字を見ると、アトミックコアらしく低RGかつ高めのΔRGになっています。
つまり、ボールが比較的早い段階から回転を立ち上げながら、大きなフレアを作りやすい設計です。
しかし、カバーはR2Sパール。
ここが非常に重要です。
強いソリッド系カバーのように手前からレーンを噛みにいくのではなく、比較的スムーズにフロントを通過させながら、アトミックコアの強さを後半まで残しやすくなっています。
アストロフィジックス2の特徴
R2Sパールがアストロフィジックス2最大のポイント
個人的にアストロフィジックス2を見るうえで、一番注目したいのがR2Sパールです。
R2SはSTORMを代表するカバーストックのひとつ。
現在の強いカバーと比較するとオイルへの噛みは穏やかですが、その代わり、
「手前でエネルギーを使いすぎない」
という大きなメリットがあります。
ボウリングでは曲がれば曲がるほど良いわけではありません。
特にゲームが進んで手前のオイルが削れてくると、強いボールではフロントから噛みすぎてしまい、バックエンドに到達する前にエネルギーを失うことがあります。
そんなときにアストロフィジックス2を使うと、
スッ……
と手前を通過して、
ブレイクポイントからグッと向きを変える。
このリアクションを作りやすい。
これこそアストロフィジックス2の大きな魅力でしょう。
Atomic Coreはやっぱり強い
フィジックスシリーズを語るなら、アトミックコアは外せません。
15ポンドで、
RG:2.480
ΔRG:0.053
MB:0.017
という数値。
低RGなので回転が立ち上がりやすく、ΔRGも大きいためフレア量もしっかり確保されています。
個人的にフィジックスシリーズの魅力は、単純な「曲がりの大きさ」だけではないと思っています。
むしろ、
ピンに当たる直前までボールが前へ進もうとする感覚
こそフィジックスの面白さ。
薄めに入ったときにピンを飛ばしてくれたり、厚めに入ったときでもボールが負けにくかったりする。
もちろん投球条件によって変わりますが、フィジックスシリーズが長年支持されている理由のひとつが、この強いコアによる継続性でしょう。
アストロフィジックス2の曲がり方
アストロフィジックス2を一言で表現するなら、
「走るけれど、先でちゃんと仕事をするボール」
です。
レーン手前では比較的直進性があります。
しかし、ただ滑っているだけではありません。
アトミックコアによって内部ではしっかり転がろうとしているため、ドライゾーンへ到達すると向きを変えてポケットへ入ってきます。
リアクションを3段階に分けると、
フロント:★★★★☆(走る)
ミッドレーン:★★★☆☆(比較的スムーズ)
バックエンド:★★★★★(しっかり動く)
というイメージ。
ただし、バックエンドが完全にカクッと折れるタイプというより、フィジックスらしい転がりを伴いながら向きを変えてくる印象です。
そのため、
「走り系が欲しいけど、ピーキーすぎるボールは怖い」
という人にも候補になります。
初代アストロフィジックスとの違い
ここはかなり気になるポイントでしょう。
初代アストロフィジックスも、
R2S Pearl Reactive
+
Atomic Core
という組み合わせでした。
基本的なスペックも非常に近く、アストロフィジックス2は初代のコンセプトを強く受け継いでいます。
大きな違いとして注目したいのが表面仕上げです。
初代アストロフィジックスは1500-grit Polished。
対してアストロフィジックス2は、
Reacta Gloss(リアクタグロス)
となっています。
つまり完全な別物を作ったというより、
名作アストロフィジックスを現代仕様に再構築したモデル
と考えると分かりやすいでしょう。
初代アストロを投げていた人なら、かなり懐かしい雰囲気を感じられるはずです。
アストロフィジックス2が活躍しやすいコンディション
メーカー上の適応はミディアムコンディション。
実際、このあたりが一番使いやすいと思います。
特におすすめなのが、
ミディアム〜ミディアムドライ寄りになってきた場面。
オイルがしっかりある状態ではR2Sパールでは少し滑りを感じる可能性があります。
逆に完全なドライコンディションでは、アトミックコアの強さとバックエンドリアクションが暴れてしまう可能性があります。
その中間。
「強いボールでは手前から噛みすぎる。でも弱いボールではピン前が頼りない」
ここです。
この絶妙なゾーンこそ、アストロフィジックス2がハマりやすい場面だと思います。
ゲーム後半にも強い
個人的にはここをかなり評価したいです。
例えばリーグ戦や大会でゲーム数を重ねると、レーン手前のオイルが削れてきます。
最初は使えていた強いソリッドやハイブリッドが、
「なんか手前から噛むな……」
となってくる。
そこで立ち位置を左へ移動しても、今度は奥でボールが動かない。
そんな経験をしたことがある人も多いでしょう。
そこでアストロフィジックス2。
R2Sパールによって手前をクリアしながら、アトミックコアの強さで奥のリアクションを残す。
そのため、
1個目のボールからのボールチェンジ
として使いやすい可能性があります。
外から投げても面白い
アストロフィジックス2はインサイドから大きく外へ振るだけのボールではありません。
比較的外目のラインを真っすぐ使うのも面白いと思います。
R2Sパールなのでオイル上では直進性を出しやすく、外のドライへ触れればしっかり反応する。
例えば、
10枚目前後を使って外へ出すライン。
こうした比較的シンプルなラインでも性能を発揮しやすいでしょう。
特にハウスコンディションでは、外側にドライがある場合、
「外へミスしたら戻る」
という安心感を作りやすい。
これはスコアメイクではかなり重要です。
インサイドから使うなら?
レーンが変化してきたら、徐々に立ち位置を左へ移動。
アストロフィジックス2はここからも面白くなります。
R2Sパールの走りを利用して、
内側のオイルを使う
↓
外へ出す
↓
ドライで向きを変える
↓
アトミックコアの力でポケットへ
というラインを作れます。
個人的には、
「走り系フィジックス」の魅力を最も感じられるライン
だと思います。
強いカバーのフィジックスでは手前から噛みすぎてしまう場面でも、アストロフィジックス2ならバックエンドまでエネルギーを残しやすい。
フィジックスシリーズが好きな人ほど、この違いは面白く感じるはずです。
アストロフィジックス2のピンアクションは?
フィジックスシリーズに期待するポイントのひとつがピンアクション。
アストロフィジックス2も、ここは大きな魅力です。
アトミックコアによる転がりの強さと、バックエンドまで残したエネルギーによって、ポケットへ入ってからもボールが前へ進みやすい。
特に、
「見た目以上にピンが飛ぶ」
タイプのリアクションを期待できます。
単純にバックエンドで横へ大きく動けばピンアクションが良くなるわけではありません。
重要なのは、
適切な入射角+ボールが前へ進む力
です。
アストロフィジックス2は、このバランスがフィジックスシリーズらしく優秀なボールと言えるでしょう。
アストロフィジックス2のメリット
アストロフィジックス2の魅力をまとめると、
・R2Sパールによる手前の走り
・アトミックコアによる強い転がり
・バックエンドでしっかり向きを変える
・フィジックスらしいピンアクション
・ミディアムコンディションで使いやすい
・ゲーム後半のボールチェンジ候補になる
・外目からもインサイドからもラインを作れる
特に魅力なのは、
「走り系なのにコアが弱くない」
という部分です。
手前を走らせるためにボール全体を弱くしているわけではありません。
カバーで走らせながら、内部にはアトミックコアを搭載している。
この組み合わせがアストロフィジックスらしさです。
アストロフィジックス2のデメリット
もちろん万能ではありません。
まず、オイル量がかなり多いコンディション。
R2Sパールなので、ヘビーオイルではブレイクポイントまで滑りすぎる可能性があります。
こういう場面では、もっと強いソリッドやハイブリッド系のボールを使ったほうが安心です。
反対に、かなりドライになったレーン。
こちらもアトミックコアの強さとΔRGの高さがあるため、バックエンドで動きすぎる可能性があります。
そのため、
ヘビーオイル → △
ミディアム → ◎
ミディアムドライ → ○〜◎
完全なドライ → △
くらいのイメージで考えると分かりやすいでしょう。
どんなボウラーにおすすめ?
アストロフィジックス2は特に、
フィジックスシリーズが好きな人
にはかなり魅力的です。
さらに、
・手前を楽に走らせたい
・バックエンドの動きが欲しい
・ゲーム後半に使えるボールが欲しい
・強いボールからチェンジできるパールが欲しい
・ピンアクションを重視したい
・初代アストロフィジックスが好きだった
こうした人にはおすすめできます。
逆に、
「とにかくオイルに強いボールが欲しい」
という人が最初に選ぶボールではありません。
アストロフィジックス2の魅力は、強さそのものではなく、
走りとコアパワーのバランス
だからです。
アストロフィジックス2は何個目に入れる?
6個バッグを想定するなら、
1:ヘビーオイル用
2:強めのベンチマーク
3:ミディアム用
4:アストロフィジックス2
5:ミディアムドライ用
6:スペアボール
このあたりに置くと使いやすそうです。
つまり、
強いボールでは手前が苦しくなってきたときの次の一手。
このポジションです。
個人的にはアストロフィジックス2を「最初から最後まで全部投げる万能球」と考えるより、
レーン変化に対応するための武器
として考えたほうが、このボールの良さを引き出せると思います。
アストロフィジックス2総合評価
| 性能 | 評価 |
| 走り | ★★★★★ |
| オイルへの強さ | ★★★☆☆ |
| バックエンド | ★★★★★ |
| 曲がり幅 | ★★★★☆ |
| コントロール性 | ★★★★☆ |
| ピンアクション | ★★★★★ |
| ゲーム後半 | ★★★★★ |
| 扱いやすさ | ★★★★☆ |
※評価はスペックやボール特性をもとにした相対的な目安です。
まとめ
アストロフィジックス2は「走り系フィジックス」の完成度が高い
アストロフィジックス2は、
R2S Pearl Reactive × Atomic Core × Reacta Gloss
という非常に魅力的な組み合わせを持ったボールです。
レーン手前ではR2Sパールによってスムーズな直進性を作りながら、ブレイクポイントではアトミックコアの強さを使ってしっかり向きを変える。
そしてピンに到達してからもフィジックスらしい強さを感じられる。
単純に「曲がる・曲がらない」だけでは説明しにくいボールです。
むしろ、
手前で無駄なエネルギーを使わず、必要なところで曲げる。
ここがアストロフィジックス2最大の魅力でしょう。
初代アストロフィジックスが好きだった人はもちろん、
「最近の強いボールだと手前から噛みすぎる」
「ゲーム後半でもバックエンドリアクションを残したい」
という人にも非常に面白い選択肢です。
フィジックスシリーズの強烈なコアパワーを残しながら、R2Sパールで走りをプラスする。
アストロフィジックス2は、“走ってキレるフィジックス”を探しているボウラーなら一度は投げてみたくなる1球です。



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