はじめに
ボウリングボールには、発売から時間が経っても多くのボウラーから支持され続ける「名球」と呼ばれるボールがあります。
その代表格のひとつが、Stormの**「IQツアーエディション」**です。
2012年に登場したIQツアーエディションは、派手なキレや圧倒的な曲がりを前面に押し出したボールではありません。
しかし、
「読みやすい」
「動きが安定している」
「ラインを作りやすい」
「投げミスをしても暴れにくい」
という、ボウラーにとって非常に重要な性能を持っています。
Storm自身もIQツアーエディションを、予測しやすくコントロール性に優れた「ベンチマークボール」として位置づけています。
今回は、そんなIQツアーエディションのスペックや特徴、実際にどんなボウラーにおすすめなのかを詳しく紹介していきます。
IQツアーエディションのスペック
まずは基本スペックをチェックしてみましょう。
| 項目 | スペック |
| メーカー | Storm |
| ボール名 | IQツアーエディション |
| カバーストック | R2S Solid Reactive |
| コア | C³ Centripetal Control Core |
| コアタイプ | シンメトリック |
| 表面仕上げ | 4000-grit Abralon |
| カラー | Midnight Blue |
| RG(15lb) | 2.49 |
| Differential(15lb) | 0.029 |
| フレアポテンシャル | Medium-Low |
| 重量 | 12〜16lb |
| フレグランス | Apple Crisp |
Storm公式資料によると、15ポンドではRG 2.49、Differential 0.029。R2S Solid ReactiveにC³ Centripetal Control Coreを組み合わせ、4000-grit Abralonで仕上げられています。
IQツアーエディションの特徴
IQツアーエディションの最大の魅力は「安定感」
IQツアーエディションを語るうえで、最も重要なのが安定感です。
ボウリングでは、ボールが大きく曲がれば良いというわけではありません。
むしろ、
「どこまで走って、どこから曲がり始めるのか」
「オイルの中でどのくらい進むのか」
「ドライに触れたときにどのくらい向きを変えるのか」
が分かりやすいボールのほうが、実戦では使いやすいことがあります。
IQツアーエディションは、まさにそうした「ボールの動きを読みやすい」タイプ。
R2S Solid ReactiveとC³ Centripetal Control Coreの組み合わせによって、手前から中盤でしっかり転がりながら、バックエンドでは急激に暴れすぎない、コントロール性の高い動きを見せます。
R2S Solid Reactiveが生み出す扱いやすさ
IQツアーエディションに採用されているのが、R2S Solid Reactiveです。
R2SはStormを代表するカバーストックのひとつ。
IQツアーエディションでは4000-grit Abralon仕上げとなっており、レーン手前で適度にオイルを捉えながら、先ではスムーズに方向転換していきます。
ここがIQツアーエディションの面白いところです。
「手前で噛みすぎて止まってしまう」
「バックエンドで急激に跳ねる」
という極端な動きではありません。
手前 → 中盤 → バックエンド
というボールの動きが非常に自然。
そのため、レーンコンディションを読むための「基準」として使いやすいボールになっています。
C³ Centripetal Control Coreにも注目
もうひとつの重要ポイントが、C³ Centripetal Control Coreです。
このコアはシンメトリックタイプで、素早く回転しながら中盤での転がりを作り、レーン後半での動きを滑らかにすることを目的として設計されています。
IQツアーエディションの「曲がるけれど暴れない」という特徴は、このコアとR2S Solidの組み合わせによるところが大きいでしょう。
特にボールの動きを見ながらラインを調整したいボウラーには、この素直さが大きな武器になります。
実際のボールリアクションは?
IQツアーエディションの動きを簡単に表現するなら、
「スムーズで読みやすいミッドレーン+コントロールされたバックエンド」
です。
イメージとしては、
手前
↓
適度に走る
↓
中盤
↓
しっかり転がる
↓
バックエンド
↓
緩やかに方向転換
↓
ポケット
という流れ。
派手な「ギュン!」という曲がりではありません。
しかし、その分だけラインを作りやすく、ボールの動きを予測しやすいのが特徴です。
海外のレビューでも、IQツアーはミディアムコンディションで扱いやすく、スムーズでコントロールしやすいボールとして評価されています。
どんなコンディションに向いている?
IQツアーエディションが特に活躍するのは、ミディアムコンディションです。
オイルが多すぎる場合には、より強いカバーストックを持ったボールが必要になることがあります。
一方で、レーンがかなり乾いてくると、IQツアーエディションでも強く反応しすぎるケースがあります。
そのため、
「ミディアムを中心に使うボール」
として考えると分かりやすいでしょう。
Stormの技術資料でも、IQツアーエディションはミディアムコンディションで高いレベルの性能を発揮する、コントロール性を重視したボールとして説明されています。
ハウスコンディションでも使いやすい
IQツアーエディションは、競技用の難しいコンディションだけでなく、一般的なハウスコンディションでも使いやすいボールです。
特に、
- オイルがそこまで多くない
- 先の動きが読みづらい
- ボールが暴れすぎるのが苦手
- ポケットへのラインを安定させたい
という状況では非常に頼りになります。
「とりあえずこのボールを投げてレーンを見る」
という使い方ができるのもIQツアーエディションの魅力です。
IQツアーエディションは「ベンチマークボール」に最適
個人的にIQツアーエディションの最大の魅力だと思うのが、ベンチマークとしての性能です。
ベンチマークボールとは、簡単に言えば、
「その日のレーンコンディションを判断するための基準となるボール」
です。
例えば、最初にIQツアーエディションを投げてみて、
「少し先で曲がるな」
「もう少し手前から動いてほしい」
「もう少し走ってほしい」
などを判断します。
そこから、
強いボールへ変更する
↓
弱いボールへ変更する
↓
表面を調整する
↓
ラインを変更する
といったアジャストをしていくわけです。
この「基準」を作りやすいのがIQツアーエディションです。
こんなボウラーにおすすめ!
IQツアーエディションは、特に次のようなボウラーにおすすめです。
① ボールの動きをしっかり見たい人
派手な動きよりも、ボールがどこで転がり、どこから方向転換するのかを確認したい人に向いています。
② ミディアムコンディション用のボールが欲しい人
オイル量が中程度のレーンで、安定したラインを作りたい場合に非常に使いやすいボールです。
③ ベンチマークボールが欲しい人
大会やリーグで、最初に投げてレーンを読むためのボールを探している人には特におすすめ。
④ ボールが先で暴れるのが苦手な人
バックエンドで急激に方向転換するタイプより、スムーズな動きを好むボウラーに向いています。
⑤ ボール選びに迷っている人
「とりあえず1個、万能に使えるボールが欲しい」という場合にも候補に入れたいボールです。
逆に、IQツアーエディションが合わないケース
もちろん、万能なボールというわけではありません。
例えば、
「とにかく大きく曲げたい!」
というボウラーには、少し物足りなく感じる可能性があります。
また、オイルが非常に多いコンディションでは、IQツアーエディションよりも強いカバーストックを持つボールのほうが安心できるでしょう。
反対に、レーンがかなり乾いている場合は、IQツアーエディションでも強く反応する可能性があります。
つまり、
「何でもできるボール」ではなく、「基準を作りやすいボール」
と考えるのがおすすめです。
IQツアーエディションの表面管理も重要
IQツアーエディションの性能を引き出すためには、表面状態の管理も重要です。
工場出荷時は4000-grit Abralon仕上げ。
Stormは、使用後のクリーナーによるメンテナンスや、一定ゲーム数ごとの表面調整・リサーフェスを推奨しています。
同じIQツアーエディションでも、
表面が荒れている状態
と
表面がツルツルになっている状態
では、レーン上での動きが変わります。
「最近、前より走らなくなった」
「先の動きが弱くなった」
と感じたときは、単純にボールが寿命だからと決めつけず、表面状態を確認してみるのもおすすめです。
IQツアーエディションを一言で表すなら?
僕ならIQツアーエディションを、
「迷ったときに戻ってこられるボール」
と表現します。
強烈な曲がりを武器にするボールではありません。
しかし、
「今日はどこから投げればいい?」
「このレーンはどれくらいオイルがある?」
「今のボールは強すぎる?」
そんなときに、IQツアーエディションを投げることでレーンの情報を整理しやすくなります。
それこそが、IQツアーエディションが長年にわたって支持されている理由ではないでしょうか。
2012年発売のボールでありながら、現在でもStormの資料では長期にわたって信頼されるコントロール系の選択肢として紹介されています。
まとめ
IQツアーエディションは今でも使う価値がある?
結論として、IQツアーエディションは今でも非常に魅力的なボールです。
特に魅力なのは、
- R2S Solid Reactiveによる扱いやすい反応
- C³ Centripetal Control Coreによる安定した転がり
- スムーズで予測しやすいボールモーション
- ミディアムコンディションとの相性
- ベンチマークボールとしての使いやすさ
- レーンアジャストの基準を作りやすい
といった部分。
最新ボールのような派手なスペックではなくても、「投げていて安心できる」ことこそがIQツアーエディションの最大の武器です。
ボウリングでは、必ずしも一番曲がるボールが一番スコアを出してくれるわけではありません。
「自分が狙ったラインを通しやすいボール」
を持っていることが、安定したスコアにつながります。
そういう意味でIQツアーエディションは、
初心者から上級者まで、バッグに1個入れておきたいベンチマークボール。
長く愛されてきた理由が、実際に投げてみるとよく分かるボールです。
IQツアーエディション|個人的評価
| 項目 | 評価 |
| コントロール性 | ★★★★★ |
| 安定感 | ★★★★★ |
| ミッドレーンの転がり | ★★★★★ |
| バックエンドの強さ | ★★★★☆ |
| 扱いやすさ | ★★★★★ |
| ミディアム適性 | ★★★★★ |
| ベンチマーク性能 | ★★★★★ |
| 総合評価 | ★★★★★ |
派手さよりも「安定して良いボールモーション」を求めるなら、IQツアーエディションは非常に魅力的な選択肢です。




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