はじめに
STORM(ストーム)の人気シリーズ「IQツアー」。
その中でも、今なお「もう一度投げたい」「中古でも欲しい」と名前が挙がることがあるのが、**IQツアーエメラルド(IQ TOUR EMERALD)**です。
美しいエメラルドカラーも印象的ですが、このボールの魅力は見た目だけではありません。
手前をスムーズに走りながら、奥ではしっかり向きを変える。
しかも、単純に「走ってキレる」だけではなく、IQシリーズらしい扱いやすさを残しているところが大きな特徴です。
今回はIQツアーエメラルドについて、スペックからボールの動き、適性コンディション、向いているボウラーまで詳しく解説していきます。
IQツアーエメラルドとは?
IQツアーエメラルドは、STORMから2019年に登場したIQツアーシリーズのボールです。
IQシリーズといえば、派手な曲がりよりも「読みやすさ」「コントロール性能」「安定感」を重視したモデルが多いシリーズ。
IQツアーエメラルドもその特徴を受け継いでいますが、大きなポイントとなるのがR2Sパールリアクティブの採用です。
ソリッド系のIQとは違い、オイルのある手前では比較的スムーズに進み、レーン後半でしっかりリアクションを出してくれます。
そのため、
「IQの扱いやすさは好きだけど、もう少し手前を走らせたい」
「奥でもう少し動いてほしい」
そんなボウラーにハマりやすい一球です。
IQツアーエメラルドのスペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | STORM(ストーム) |
| カバーストック | R2S パールリアクティブ |
| コア | C³ セントリピタル・コントロールコア |
| RG | 2.490(15ポンド) |
| ΔRG | 0.029(15ポンド) |
| フレア | 3〜4インチ |
| 表面仕上げ | 1500グリット・ポリッシュ |
| カラー | エメラルド |
| フレグランス | メロンミント |
| 発売時期 | 2019年6月 |
スペックを見て特に注目したいのが、
RG 2.490 × ΔRG 0.029
という組み合わせです。
低めのRGによって比較的早い段階からコアが立ち上がりやすい一方、ΔRGはそれほど大きくありません。
そのため、フレアを大きく出して激しく曲げるタイプというより、
転がりの安定感を出しながら、暴れすぎない軌道を作る
というIQシリーズらしい性格になっています。
IQツアーエメラルドの特徴
R2Sパールが生み出す絶妙な走り
IQツアーエメラルドを語るうえで外せないのが「R2Sパール」です。
R2SはSTORMを代表するカバーストックのひとつ。
極端に強いカバーで無理やりオイルを噛ませるというより、レーン手前を比較的きれいに通過させながら、必要なところで反応させやすい素材です。
IQツアーエメラルドでは、このR2Sがパール仕様になっています。
そのため投球したときのイメージとしては、
スーッと手前を走る
↓
中盤で徐々に転がる
↓
ブレイクポイントから向きを変える
↓
そのままピンへ入っていく
という流れを作りやすいです。
ここがIQツアーエメラルドの面白いところ。
単純な「スキッド・スナップ系」とも少し違います。
奥で動くのですが、急激に90度方向転換するような暴れ方ではなく、ある程度動きを予測できるキレ方をしてくれます。
C³セントリピタル・コントロールコアとの相性が抜群
IQシリーズを象徴する存在ともいえるのが、
C³セントリピタル・コントロールコア
です。
名前に「Control」と入っている通り、コントロール性能を意識した設計になっています。
IQツアーエメラルドでは、このコアとR2Sパールの組み合わせが非常に重要です。
カバーだけを考えれば、手前を走って奥で大きく反応する方向に寄ってもおかしくありません。
しかしC³コアによって動きがまとめられているため、
走るけど暴れにくい。
キレるけど読みやすい。
という絶妙なバランスになっています。
これこそIQツアーエメラルド最大の魅力だと思います。
実際にはどんな動きをする?
IQツアーエメラルドを一言で表現するなら、
「コントロールできるパール」
という表現がかなり近いでしょう。
パール系ボールというと、
「奥で急激に曲がる」
というイメージを持つ人もいると思います。
しかしIQツアーエメラルドの場合、ただ派手にキレるわけではありません。
手前のスキッドはしっかり確保されていますが、ブレイクポイントでの反応が比較的読みやすい。
そのため、投げていて、
「さっきより1枚内側に立とう」
「もう少し外へ出してみよう」
といったライン調整がしやすいボールです。
ボウリングでは「たくさん曲がる=良いボール」とは限りません。
特にレーン変化が進んできたときは、どこで曲がるのか分からないボールより、動きを予測できるボールの方がスコアにつながることがあります。
IQツアーエメラルドは、まさにそんな場面で頼りになるタイプです。
得意なレーンコンディション
個人的にIQツアーエメラルドの良さが出やすいと考えるのは、
ミディアム〜ミディアムドライ付近
です。
特に、
・手前のオイルが少なくなってきた
・強いソリッドでは噛みすぎる
・ボールが手前から起き上がってしまう
・でも弱いボールでは奥の動きが足りない
こんな状況。
強めのボールを投げていて、
「そろそろ手前が苦しくなってきたな……」
と感じたときにIQツアーエメラルドへ変更すると、手前を楽に通しながらブレイクポイントまでボールを運びやすくなります。
ハウスコンディションとの相性もかなり良いでしょう。
逆に苦手なコンディションは?
万能に見えるIQツアーエメラルドですが、当然苦手な状況もあります。
代表的なのがオイル量の多いコンディションです。
R2Sパール+ポリッシュ仕上げなので、大量のオイルの上で強引に曲げるためのボールではありません。
オイルが多すぎると、
「手前は走ったけど、そのまま奥まで滑ってしまった」
ということがあります。
そういった状況では、よりカバーの強いソリッド系やハイブリッド系のボールを使った方がラインを作りやすいでしょう。
IQツアーエメラルドは、
オイルに勝つボールというより、オイルを利用しながらフッキングポイントへ運ぶボール
と考えた方が分かりやすいと思います。
IQツアーエディションとの違い
IQシリーズを選ぶとき、比較対象になりやすいのが「IQツアーエディション」です。
大きな違いはカバーストック。
IQツアーエディションはR2Sソリッド。
IQツアーエメラルドはR2Sパールです。
同じC³セントリピタル・コントロールコアを搭載していますが、レーン上での見え方には違いがあります。
IQツアーエディション
手前から中盤にかけて安定して転がり、ブレイクポイントでも比較的丸みのある動き。
「とにかく読みやすさが欲しい」という場面で使いやすいモデルです。
IQツアーエメラルド
エディションより手前をスムーズに通しやすく、レーン後半で動きを出しやすい。
そのため、
エディションでは手前から噛みすぎる
という状況になったとき、エメラルドへのボールチェンジが選択肢になります。
この2個を投げ比べると、IQシリーズの面白さがよく分かります。
IQツアーエメラルドがおすすめな人
IQツアーエメラルドは、特に次のようなボウラーと相性が良いでしょう。
① パール系でも安定感が欲しい人
奥で激しく暴れるボールが苦手な人にはかなり魅力的。
パールらしい走りを持ちながら、IQらしいコントロール性能もあります。
② レーン変化後に使えるボールが欲しい人
ゲームが進み、手前のオイルが削れて強いボールが使いにくくなった場面。
IQツアーエメラルドの出番です。
③ ハウスコンディション中心の人
リーグ戦やセンター大会など、一般的なハウスコンディションを投げる機会が多い人にも使いやすいでしょう。
④ 回転数が多くボールが暴れやすい人
ΔRG 0.029という比較的落ち着いたコア特性もあり、回転数の多いボウラーでもラインをまとめやすいのが魅力です。
IQツアーエメラルドのメリット
実際にスペックとボール特性を整理すると、メリットはかなり明確です。
・手前の走りが良い
・ブレイクポイントを予測しやすい
・パールなのに暴れにくい
・レーン変化に対応しやすい
・ハウスコンディションで使いやすい
・ライン調整がしやすい
・IQシリーズらしい安定感がある
特に「予測しやすい」というのは大きなメリット。
ボールが多少曲がらなくても、
「なぜ曲がらなかったのか」
が分かればアジャストできます。
逆に、毎回違う動きをしてしまうと修正が難しくなります。
IQツアーエメラルドは、ボウラー側がレーンを読みながら調整していきやすいタイプだと思います。
IQツアーエメラルドのデメリット
もちろん弱点もあります。
・オイル量が多いと滑りやすい
・強烈なバックエンドを求める人には物足りない可能性がある
・現在は新品を見つけにくい
・最新の強いカバーストックと比べると絶対的なオイル対応力は高くない
特に注意したいのが中古品です。
IQツアーエメラルドは発売から時間が経っているため、中古で探す場合は表面状態やゲーム数などを確認したいところ。
どれだけ名作でも、状態によって本来のリアクションとは大きく変わってしまいます。
「曲がるボール」に疲れた人ほど面白い
最近の高性能ボールは、とにかくカバーが強くなっています。
オイルをしっかりキャッチして大きく曲がってくれる。
これは間違いなく大きな武器です。
ただ、強ければ強いほど良いとは限りません。
ゲーム後半になって手前が削れてくると、
「噛みすぎる」
「早く曲がりすぎる」
「ピン前で動きがなくなる」
という問題も出てきます。
そんなときに必要になるのが、IQツアーエメラルドのような必要以上に仕事をしすぎないボールです。
ボール自身がすべて解決してくれるのではなく、ボウラーがラインを作り、それに素直についてきてくれる。
この感覚がIQシリーズが長く支持されている理由のひとつではないでしょうか。
バッグに入れるならどの位置?
IQツアーエメラルドをバッグへ組み込むなら、
中〜やや弱め
くらいのポジションとして考えやすいでしょう。
例えば、
強いソリッド
↓
ベンチマーク系
↓
IQツアーエメラルド
↓
ドライ用リアクティブ
↓
ウレタン
といった構成。
特に強いボールから弱いボールへ一気に落とすとリアクション差が大きくなりすぎる場合があります。
その間を埋める存在としてもエメラルドは使いやすいです。
IQツアーエメラルド総合評価
| 項目 | 評価 |
| 走り | ★★★★★ |
| 奥の動き | ★★★★☆ |
| コントロール性能 | ★★★★★ |
| オイルへの強さ | ★★☆☆☆ |
| 扱いやすさ | ★★★★★ |
| レーン変化への対応 | ★★★★★ |
| 初心者へのおすすめ度 | ★★★★☆ |
| 中〜上級者へのおすすめ度 | ★★★★★ |
※評価はボールのスペック・特性をもとにした当ブログ独自の目安です。投球スタイルやレイアウト、レーンコンディションによってリアクションは変化します。
まとめ
IQツアーエメラルドは「扱いやすいパール」の完成形
IQツアーエメラルドは、派手なスペックを持ったボールではありません。
しかし、それこそがこのボールの魅力だと思います。
R2Sパールによるスムーズな走り。
C³セントリピタル・コントロールコアによる安定した転がり。
そしてIQシリーズらしい、
「どこで曲がるのか分かりやすい」安心感。
ボウリングでは、強烈に曲がった一投よりも、同じラインを何度も再現できることの方が重要になる場面があります。
IQツアーエメラルドは、まさにそんな「スコアを作るボウリング」を助けてくれる一球です。
最新ボールのような圧倒的なオイル対応力や派手なバックエンドではなく、走り・曲がり・コントロール性能のバランスを求める人には今でも非常に面白いボールだと思います。
「IQシリーズを一度投げてみたい」
「強いボールでは手前が苦しくなってきた」
「パールでも暴れないボールが欲しい」
そんな人なら、IQツアーエメラルドの良さを感じやすいでしょう。
発売から年月が経っても名前が残るボールには、やはり理由があります。



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