はじめに
ボウリングボールには、発売から時間が経っても名前が残り続ける「名作」と呼ばれるボールがあります。
MOTIV(モーティブ)の**カバート・リボルト(Covert Revolt)**も、そのひとつではないでしょうか。
派手に奥で飛ぶタイプというより、
「しっかりオイルを読んで、安定して曲がり続ける」
そんな扱いやすさがカバート・リボルトの魅力です。
特にミディアムヘビー付近のコンディションで、手前から奥まで安定したボールリアクションを求めるボウラーにとって非常に面白い存在。
今回はカバート・リボルトのスペック、ボールの動き、適性コンディション、どんなボウラーに向いているのかまで詳しく紹介していきます。
カバート・リボルトとは?
カバート・リボルトは、MOTIVの「REVOLT」シリーズを代表するボールのひとつです。
大きな特徴となっているのが、
Vanquish(バンキッシュ)コア × Turmoil HFSソリッドリアクティブ
という組み合わせ。
15ポンドではRG2.470、ΔRG0.056。
低めのRGと高いΔRGを組み合わせた設計となっているため、比較的早い段階から回転が立ち上がりやすく、大きなトラックフレアも期待できます。
そして、このコアの特徴を活かしているのがTurmoil HFSカバーです。
オイルの中で滑りすぎるのを抑えながらミッドレーンをしっかり読み、そこからピンまで曲がりを持続させていく。
カバート・リボルトを語るなら、この「途中で曲がりが終わりにくい」という部分は外せません。
カバート・リボルトのスペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | MOTIV(モーティブ) |
| ボール名 | カバート・リボルト |
| 英語名 | Covert Revolt |
| カバーストック | Turmoil HFS Reactive |
| カバータイプ | ソリッドリアクティブ |
| コア | Vanquish |
| コアタイプ | 対称コア |
| RG(15P) | 2.470 |
| ΔRG(15P) | 0.056 |
| InterDiff | 0.000 |
| カラー | Black Smoke |
| 適性コンディション | ミディアムヘビー中心 |
※カバート・リボルトは発売・復刻時期などによって公表されている表面仕上げの表記に違いがあります。
スペックだけを見ると、
「低RG・高ΔRGの強い対称コア」
というのが非常に分かりやすい特徴です。
最近の非対称コアを搭載した強いボールとは少し方向性が違います。
無理やり向きを変えるというより、レーンの中盤からボールが自然に立ち上がり、その曲がりをピンまでつなげていくイメージです。
実際にどんな動きをするボールなのか?
① 手前を走らせるというより「安定して読む」
カバート・リボルトに対して、個人的に一番注目したいのがミッドレーンの安定感です。
パール系ボールのように、
「手前をスーッと走って奥でドン!」
というタイプではありません。
オイルがある程度存在する状況で、手前から中盤を安定して進み、ミッドレーンで徐々にボールが立ち上がってきます。
そのため、投球するたびにブレークポイントが大きく変わるような感覚が少なく、ラインを組み立てやすいタイプです。
② 奥で急激に向きを変えすぎない
個人的にカバート・リボルトの面白さはここだと思っています。
曲がるボール=バックエンドが鋭い。
必ずしもそうではありません。
カバート・リボルトの場合、ボール全体としてのフック量は十分にありますが、ブレークポイントで突然方向転換するような動きではありません。
ミッドレーンから始まった曲がりが、そのままピンまで続いていく。
この動きだからこそ、オイル量がある程度あるコンディションでもラインを読みやすくなります。
③ ピン前で動きが止まりにくい
オイルに強いソリッド系ボールで注意したいのが、手前でエネルギーを使い切ってしまうことです。
曲がっているように見えるのに、肝心のピン前ではボールが弱くなっている。
そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
カバート・リボルトの魅力は、強いミッドレーン性能を持ちながら、曲がりの継続性も意識された設計になっているところ。
バックエンドの派手さだけを見るボールではありません。
ポケットまでしっかりボールを持っていく。
この安心感こそ、このボールが長く評価されてきた理由のひとつだと思います。
カバート・リボルトが使いやすいコンディション
最も使いやすいのは、
ミディアム〜ミディアムヘビー、特にオイル量がしっかり残っている状態
でしょう。
例えば大会やリーグ戦の序盤。
まだレーンの手前にオイルがあり、弱いボールではブレークポイントまで滑ってしまう。
そんな場面でカバート・リボルトの強さが活きてきます。
ある程度オイルに噛みながらレーン中盤を読み、安定した軌道を作ってくれます。
逆に、ゲームが進んで手前のオイルが削れてくると注意が必要です。
カバーが早く反応しすぎてしまい、手前でエネルギーを消費する可能性があります。
そうなったら、無理にカバート・リボルトを使い続けるより、もう少し走りのあるボールへチェンジした方がラインを作りやすくなるでしょう。
カバート・リボルトは「曲がるボール」だけではない
スペックを見るとΔRG0.056なので、
「かなり曲がるボールなのでは?」
と思う人もいるでしょう。
確かにフックポテンシャルは高めです。
しかし、個人的には単純な曲がり幅よりも、
「曲がり方の安定感」
に注目してほしいボールです。
ボールがレーン中盤でしっかり立ち上がり、そこから継続的にポケットへ向かっていく。
この動きは、スコアメイクを考えるうえで非常に重要です。
一投だけものすごい曲がりをするボールより、
「多少投球がズレても予想できる範囲で動いてくれる」
ボールの方が実戦では頼りになることがあります。
カバート・リボルトは、まさにそんなタイプです。
どんなボウラーにおすすめ?
カバート・リボルトと相性が良さそうなのは、
- 球速が速くボールが滑りやすい人
- 回転数が少なく曲がりが不足しやすい人
- ミッドレーンをしっかり読ませたい人
- 奥で暴れすぎないボールが欲しい人
- ミディアムヘビー用の安定したボールが欲しい人
- 対称コアらしい素直な動きが好きな人
特にスピードが速めで、オイルが多いとボールを曲げきれない人には注目してほしい性能です。
低RGのVanquishコアによって比較的早く回転が立ち上がり、高いΔRGによって十分なフレアを確保する。
そこにソリッドカバーが組み合わされることで、オイル上でもボールの動きを作りやすくなっています。
逆におすすめしにくい人
万能なボールではありません。
特に、
「ドライコンディション中心で投げる人」
には強すぎる可能性があります。
オイルが少ない状態では手前から噛みすぎてしまい、本来の継続性を活かせません。
また、
「とにかく奥まで走らせて、ブレークポイントから鋭角に曲げたい」
という人にも方向性が違います。
そういう場合は、パール系など走りとバックエンド性能を重視したボールの方がイメージに合いやすいでしょう。
現代のボールと比較するとどうなのか?
カバート・リボルトは現在の最新ボールではありません。
ここは重要です。
カバーストックの進化によって、現在はさらにオイルに強いボールや、強烈なバックエンドを出せるボールがたくさん登場しています。
それでもカバート・リボルトの名前が残っている。
そこが面白いところです。
最新ボールと単純な「強さ」で勝負するというより、
レーンを読みやすいこと。
曲がり方を予測しやすいこと。
ミッドレーンからピンまで動きがつながること。
こうした部分に価値があります。
実際、MOTIVは後のリボルトシリーズにもVanquishコアを採用しています。
つまり、カバート・リボルトが作った方向性は、その後のシリーズにもつながっていったわけです。
中古でカバート・リボルトを見つけたら買い?
現在は基本的に新品を普通に購入できる現行モデルではないため、中古市場などで見かけるケースもあると思います。
個人的には、
状態と価格次第では十分面白いボール
だと思います。
ただし、中古ボールの場合は性能以前に、
- プラグ歴
- 使用ゲーム数
- 表面状態
- オイル抜きの履歴
- 現在のボール径
- 自分のスパンで再ドリルできるか
などを確認したいところです。
「名作だから絶対買い」ではありません。
中古ボールはコンディションによって性能が大きく変わるため、状態を確認したうえで判断しましょう。
カバート・リボルトの評価
個人的な特徴を5段階で整理すると、こんなイメージです。
| 性能 | 評価 |
| 走り | ★★★☆☆ |
| ミッドレーン性能 | ★★★★★ |
| 曲がり | ★★★★☆ |
| バックエンド | ★★★★☆ |
| 曲がりの継続性 | ★★★★★ |
| 扱いやすさ | ★★★★★ |
| オイルへの強さ | ★★★★☆ |
※上記はボール特性から見た目安です。レイアウト、表面状態、球速、回転数、レーンコンディションによって実際のリアクションは変化します。

まとめ
カバート・リボルトは「安心してラインを作れる」名作
カバート・リボルトは、単純に「ものすごく曲がる」という言葉だけでは魅力を説明しきれないボールです。
最大の特徴は、
ミッドレーンでの安定感と、ピンまで続いていく継続性の高い曲がり。
低RG・高ΔRGのVanquishコアとTurmoil HFSソリッドリアクティブの組み合わせによって、ミディアムヘビー付近のコンディションで安定したリアクションを作りやすくなっています。
派手なバックエンドだけを求めるボールではありません。
「今日はオイルが多いな」
「走り系だと奥まで行きすぎる」
「もう少し中盤からボールを読ませたい」
そんなときに頼りたくなるタイプです。
そして何より、発売から時間が経過してもボウラーの記憶に残り続けていること自体が、カバート・リボルトというボールの完成度を物語っているのではないでしょうか。
最新ボールだけが良いボールとは限らない。
過去の名作を振り返ってみると、現在のボール選びにもつながる発見があります。
カバート・リボルトは、そんなことを改めて感じさせてくれるMOTIVの名作です。



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