はじめに
STORM(ストーム)の人気シリーズとして、長年多くのボウラーから支持されている「フェイズ」シリーズ。
その中でも**フェイズIII(PHAZE III)**は、手前の走りとバックエンドでの動きを両立した、非常に特徴的なボールです。
フェイズシリーズといえば、名作として現在でも高く評価されている「フェイズII」が有名です。
フェイズIIIにはフェイズIIと同じ「Velocity Core」が搭載されています。
しかし、実際のボールリアクションはかなり違います。
フェイズIIがミッドレーンをしっかり読みながら安定した曲がりを見せるタイプなのに対して、フェイズIIIは、
「手前をスムーズに走らせ、奥でしっかり向きを変える」
という性格が強くなっています。
「フェイズIIでは手前から噛みすぎる」
「もう少し奥まで走ってから曲がってほしい」
そんな場面で候補になるのがフェイズIIIです。
今回はフェイズIIIのスペックからボールリアクション、得意なレーンコンディション、フェイズIIとの違いまで詳しく解説します。
フェイズIIIの基本スペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | STORM(ストーム) |
| ボール名 | PHAZE III(フェイズIII) |
| カバーストック | R3S Hybrid Reactive |
| コア | Velocity Core |
| コアタイプ | シンメトリック(対称コア) |
| 表面仕上げ | 1500-grit Polished |
| RG(15ポンド) | 2.480 |
| Differential(15ポンド) | 0.051 |
| カラー | Obsidian / Jade / Orchid |
| フレグランス | Grapevine |
| 主な適性 | ミディアムコンディション |
フェイズIIIを理解するうえで重要なのが、
「R3S Hybrid Reactive × Velocity Core」
という組み合わせです。
フェイズIIと同じVelocity Coreを搭載していますが、カバーストックと表面仕上げが違います。
そのため、同じフェイズシリーズでもレーン上で見せる動きには明確な違いがあります。
フェイズIIIの特徴
① 手前をスムーズに走らせやすい
フェイズIIIを投げたときに特徴として現れやすいのが、レーン手前でのスムーズさです。
フェイズIIはソリッドリアクティブらしく、比較的早い段階からレーンを読み始めます。
一方、フェイズIIIは1500-grit Polished仕上げ。
そのため、手前のオイルで必要以上にエネルギーを消費せず、ブレイクポイントまで走らせやすくなっています。
特にこの違いが役立つのが、ゲームが進んで手前のオイルが削れてきた場面です。
序盤では問題なく使えていたボールが、
「急に手前から噛むようになった」
「ポケットまでボールが持たなくなってきた」
という経験をしたことがある人も多いと思います。
そんなときにフェイズIIIのような走りのあるボールへチェンジすると、削れた手前をクリアしやすくなります。
フェイズIIIの魅力は単純に「走る」だけではありません。
走って、曲がるためのエネルギーを奥まで残せる。
ここが重要です。
② バックエンドではしっかり向きを変える
フェイズIIIは手前を走りますが、直線的なボールではありません。
Velocity Coreは15ポンドで、
RG:2.480
Differential:0.051
というスペックを持っています。
比較的低いRGによってコアが立ち上がりやすく、0.051というDiffによってフレアもしっかり確保されています。
そのため、カバーによって手前をスムーズに通過しながら、コアによって中盤以降の転がりを作ることができます。
ブレイクポイントで摩擦を感じると、そこからしっかり向きを変えてポケットへ入ってくる。
これがフェイズIIIらしいリアクションです。
R3S Hybrid ReactiveがフェイズIIIの走りを作る
フェイズIIIには「R3S Hybrid Reactive」が採用されています。
ハイブリッドカバーは一般的に、ソリッドとパール双方の特徴を組み合わせることを狙ったカバーストックです。
フェイズIIIの場合は、さらに1500-grit Polished仕上げになっています。
そのため、
手前の走り
↓
中盤でコアが立ち上がる
↓
ブレイクポイントでしっかり反応する
という流れを作りやすいのが特徴です。
ソリッド系ほど手前からレーンを読みすぎず、それでいて完全なパール系とは少し違ったキャッチ感を持っています。
このバランスがフェイズIIIの扱いやすさにつながっています。
Velocity CoreはフェイズIIIでも健在
フェイズシリーズを代表する存在が「Velocity Core」です。
フェイズIIIにもフェイズIIと同じVelocity Coreが搭載されています。
ここがフェイズIIIの面白いところです。
表面だけを見れば、1500-grit Polishedなので「かなり走るボール」という印象を持つかもしれません。
しかし、その内部には力強く転がるVelocity Coreがあります。
つまり、
カバーは手前を走らせる。
コアはしっかり転がろうとする。
この2つの要素が組み合わされています。
単純なスキッド・スナップ系とは少し違い、ミッドレーンでもある程度ボールが立ち上がりながら、バックエンドまでエネルギーを残してくれる。
これがフェイズIIIならではの魅力です。
フェイズIIIが使いやすいレーンコンディション
フェイズIIIは基本的にミディアムコンディションを中心に考えたいボールです。
特に面白いのが、
ゲームが進んで手前が少し削れてきた状態。
例えばゲーム序盤に強めのソリッドボールを使っていたとします。
ゲームが進むにつれて同じラインのオイルが削られ、徐々にボールが手前から噛むようになってくる。
ここでフェイズIIIへ変更すると、手前をスムーズにクリアしながら、奥の摩擦を利用してポケットへ戻すラインを作りやすくなります。
逆に注意したいのが、オイル量が非常に多いコンディションです。
フェイズIIIはポリッシュ仕上げなので、オイルが多すぎるとブレイクポイントまで滑ってしまう可能性があります。
オイルの中を走らせて、外側の摩擦を使って曲げる。
こうしたラインが作れると、フェイズIIIの性能を活かしやすくなります。
フェイズIIとフェイズIIIを比較
フェイズIIIを検討している人なら、やはり気になるのがフェイズIIとの違いでしょう。
両者には同じVelocity Coreが搭載されています。
しかし、カバーストックと表面仕上げが違うため、リアクションにも大きな違いがあります。
| 比較 | フェイズII | フェイズIII |
| コア | Velocity Core | Velocity Core |
| カバー | TX-16 Solid Reactive | R3S Hybrid Reactive |
| 手前の走り | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
| 中盤のキャッチ | ★★★★★ | ★★★☆☆~★★★★☆ |
| 奥の動き | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| 曲がり方 | 安定・継続型 | 走り+バックエンド |
| 得意な場面 | オイルが残っている状態 | ミディアム~トランジション |
フェイズIIは、
「レーン全体を使って安定して曲がる」
タイプ。
それに対してフェイズIIIは、
「手前を走らせて奥の動きを強くする」
タイプと考えると分かりやすいでしょう。
フェイズII→フェイズIIIというボールチェンジも面白い
個人的にフェイズIIIを使うなら、フェイズIIとの組み合わせは非常に面白いと思います。
例えば、
ゲーム序盤
フェイズIIでミッドレーンをしっかり読みながら投球。
↓
ゲーム中盤
手前のオイルが削れてフェイズIIが少し早く動き始める。
↓
フェイズIIIへ変更
手前を走らせながら、それまで使っていたブレイクポイント付近へボールを運ぶ。
このような使い分けです。
もちろん実際にはレイアウトや投球タイプによって変わりますが、同じVelocity Coreを使用しているため、コアの転がり方に共通点を持たせながらカバーの強さを変更できます。
フェイズIIとフェイズIIIは、
「どちらが優れているか」ではなく「いつ使うか」が重要な2球
だと思います。
フェイズIIIがおすすめなボウラー
フェイズIIIは特に、
- フェイズIIでは手前から噛みすぎると感じる
- 手前を走らせられるボールが欲しい
- バックエンドでしっかり動いてほしい
- ミディアムコンディションで使いやすいボールを探している
- ハウスコンディション中心で投げている
- フェイズシリーズが好き
というボウラーにおすすめです。
特に「走るボールが欲しいけれど、弱すぎるボールにはしたくない」という人にはフェイズIIIがハマる可能性があります。
フェイズIIIを使う際の注意点
フェイズIIIは万能ボールではありません。
オイル量が多いコンディションでは、ポリッシュされたカバーが滑りすぎてしまうことがあります。
逆に、かなり乾いたコンディションではバックエンドの反応が強くなりすぎる可能性があります。
フェイズIIIが気持ちよく動きやすいのは、
「手前にある程度オイルがあり、奥に摩擦がある状態」
です。
走らせるためのオイルと、曲げるための摩擦。
この2つを利用できるラインを探すことがフェイズIIIを使いこなすポイントになります。
中古のフェイズIIIを購入するときは表面に注意
フェイズIIIは発売から時間が経っているため、現在探す場合は中古ボールも選択肢になります。
そこで注意したいのが「表面状態」です。
フェイズIIIの純正表面は1500-grit Polished。
しかし中古品の場合、以前の所有者が2000番や3000番などで表面を加工している可能性があります。
表面を曇らせると一般的に、
- 手前からキャッチしやすくなる
- 中盤の読みが強くなる
- 奥の急激な動きが抑えられる
- 全体的に丸いリアクションになる
といった変化が出ます。
つまり同じフェイズIIIでも、表面状態によって別物のように感じる場合があります。
フェイズIII本来の「走り+バックエンド」を求めて中古で購入する場合は、ドリル状態だけでなく表面加工の有無も確認しておきましょう。
フェイズIIIの性能評価
フェイズIIIの特徴を5段階で評価すると、次のようなイメージです。
| 性能 | 評価 |
| 手前の走り | ★★★★★ |
| 中盤のキャッチ | ★★★☆☆ |
| バックエンド | ★★★★★ |
| コントロール性能 | ★★★★☆ |
| ピンアクション | ★★★★★ |
| 扱いやすさ | ★★★★☆ |
| オイルへの強さ | ★★★☆☆ |
※ボールの動きは投球スタイル、レイアウト、表面状態、レーンコンディションによって変化します。
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フェイズIIIは今でも使える?
発売から時間が経っているフェイズIIIですが、性能的に「古くて使えない」というボールではありません。
むしろフェイズIIIは、
Velocity Coreの力強い転がりと、R3S Hybridの走りを組み合わせたボール
という明確なキャラクターがあります。
最新ボールには最新ボールの良さがあります。
しかしボウリングボールは、新しいほど必ず自分に合うとは限りません。
自分の投球スタイルや普段投げるレーンに合っていれば、少し前のボールでも十分戦力になります。
フェイズIIIもその1つです。
まとめ
フェイズIIIは「走って、しっかり曲がる」フェイズシリーズの名作
フェイズIII最大の魅力は、
フェイズシリーズらしい転がりを残しながら、手前の走りを強化していること。
Velocity Coreによってしっかり転がりながら、R3S Hybrid Reactiveと1500-grit Polishedによって手前をスムーズにクリア。
そしてバックエンドではしっかり向きを変えてポケットへ入ってきます。
特にフェイズIIを使っていて、
「もう少し奥まで走ってほしい」
「ゲームが進むと手前から噛みすぎる」
と感じる場面では、フェイズIIIの特徴を活かしやすいでしょう。
フェイズIIの代わりではありません。
フェイズIIとは違うタイミングを担当できるフェイズ。
これがフェイズIIIの面白さです。
走りだけでは物足りない。
でも強いソリッドでは手前から噛みすぎる。
そんなときに、フェイズIIIという選択肢がハマるかもしれません。
発売から年月が経った今でも、フェイズシリーズを語るうえでチェックしておきたい一球です。


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