はじめに
STORM(ストーム)の人気シリーズといえば「フィジックス」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
そのフィジックスシリーズの中でも、個人的にかなり印象の強いモデルが**「フィジックス・パワーエリート(PHYSIX POWER ELITE)」**です。
発売されたのは2020年。
決して新しいボールではありません。
しかし、フィジックス・パワーエリートについて調べている人の中には、
「パワーエリートってどんなボールだった?」
「中古で見つけたけど今でも使える?」
「普通のフィジックスとは何が違う?」
「パワーエリートシリーズの中ではどんな位置付け?」
と気になっている人もいると思います。
結論から言ってしまうと、フィジックス・パワーエリートは、
「パールらしい走りと、フィジックスらしい強い転がり・ピンアクションを高いレベルで両立したボール」
という表現がかなりしっくりきます。
今回はフィジックス・パワーエリートのスペックからボールリアクション、向いているレーンコンディション、メリット・注意点まで詳しく紹介していきます。
フィジックス・パワーエリートとは?
フィジックス・パワーエリートは、ハイ・スポーツ社の創立50周年を記念して開発された日本限定モデルです。
名前の「パワーエリート」は、1980年代に日本で人気を集めた国産ウレタンボール「パワーエリート」に由来しています。
そこにSTORMを代表するフィジックスシリーズを組み合わせた、かなり特別感のあるモデルでした。
そして性能面で注目したいのが、
NeXパールリアクティブ × アトミックコア
という組み合わせです。
フィジックスシリーズの強烈な転がりを生み出すアトミックコアにNeXパールを組み合わせることで、フィジックスらしい力強さを残しながら、レーン手前での走りも出しやすい設計になっています。
公式ではミディアム〜ミディアムヘビー向けとされています。
フィジックス・パワーエリートのスペック
| 項目 | スペック |
| メーカー | STORM(ストーム) |
| カバーストック | NeX パールリアクティブ |
| コア | アトミックコア |
| RG | 2.480(15ポンド) |
| ディファレンシャル | 0.053(15ポンド) |
| マスバイアス差 | 0.017(15ポンド) |
| フレア | 6インチ以上 |
| 表面仕上げ | 1500グリットポリッシュ |
| カラー | レッド |
| 重量 | 12〜16ポンド |
| フレグランス | ペパーミント |
| 適正レーン | ミディアム〜ミディアムヘビー |
| 発売時期 | 2020年10月 |
スペックを見ただけでも、かなり攻撃的なボールであることが分かります。
特に注目したいのが、
RG 2.480
ΔRG 0.053
というアトミックコアの数値です。
低いRGによって比較的早い段階から回転を起こし、大きなディファレンシャルによってしっかりとフレアを発生させる。
つまり単純な「奥まで走って急激に曲がるだけのパール」ではありません。
ここがフィジックス・パワーエリートの面白いところです。
フィジックスパワーエリートの特徴
最大の特徴は「NeXパール × アトミックコア」
フィジックス・パワーエリートを語るうえで絶対に外せないのが、NeXパールリアクティブです。
パール系カバーというと、
「手前を走って奥で一気に向きを変える」
というイメージを持っている人も多いでしょう。
パワーエリートにも確かに走りはあります。
しかし、それだけではありません。
アトミックコアがかなり強く転がるため、
手前をスムーズに通過しながら、中盤では徐々にボールが起き上がり、奥で大きなアークを描く
というリアクションが特徴です。
個人的には「カクッと向きを変える」というより、
グイッと力強くポケットへ寄ってくる
というイメージのほうが近いと思います。
レーン手前|強いボールなのに意外と走る
パワーエリートで面白いのがここです。
アトミックコアを搭載しているため非常に強いボールなのですが、NeXパール+1500グリットポリッシュによって、レーン手前で必要以上に噛みすぎません。
そのため、
「フィジックスは強すぎて手前から動きそう」
というイメージとは少し違います。
もちろんオイル量が少なくなれば早く反応しますが、ある程度オイルが残っている状態なら、比較的スムーズに中盤まで運びやすい。
この強いのに走らせられる感覚がパワーエリートの魅力です。
レーン中盤|アトミックコアの強さが出る
個人的にフィジックスシリーズの真骨頂だと思っているのが中盤です。
アトミックコアはRGが2.480と低く、ボール内部の重量が中心付近に集中しています。
そのためレーンを進んでいく中でしっかりと回転が立ち上がります。
パワーエリートも、
「走っていたボールが中盤から徐々に存在感を増してくる」
という感覚があります。
パールだからといって中盤が完全に抜けてしまうタイプではありません。
この中盤の安定感があるからこそ、バックエンドの動きにつながっています。
バックエンド|強烈だが暴れすぎないストロングアーク
フィジックス・パワーエリート最大の見せ場です。
ドライゾーンへ到達すると、NeXパールがしっかり摩擦を拾います。
しかし、ただ横方向へ飛ぶような曲がりではありません。
中盤ですでにアトミックコアが転がりを作っているため、
強烈なストロングアーク
という表現がよく似合います。
公式説明でも、ブレイクポイントからストロングアーク状の強い曲がりを特徴として挙げています。
「キレる」というより、
曲がり続ける。
この違いはかなり重要です。
特に中から外へ出して戻すラインでは、パワーエリートの魅力を感じやすいでしょう。
ピンアクションはフィジックスシリーズ最大の武器
フィジックスシリーズが長年支持されている理由の一つがピンアクションだと思います。
パワーエリートも例外ではありません。
アトミックコアによる強い転がりを維持したままポケットへ入るため、ピンヒット時にボールが負けにくい。
特に印象的なのが、
少し薄めに入ったときのピンの飛び方。
厚めだけが強いボールではなく、多少ポケットを外したときでもピンを絡ませる力があります。
もちろんピンアクションだけでストライクになるわけではありませんが、パワーエリートの魅力を語るなら、この「当たり負けしにくさ」は外せません。
どんなレーンで使いやすい?
メーカーの適正レーンは、
ミディアム〜ミディアムヘビー
です。
個人的にも、この辺りがパワーエリートの性能を最も引き出しやすいゾーンだと思います。
例えば朝一番のオイルが比較的しっかりある状態。
あるいは少しゲームが進んで、外側にドライが見え始めた状態。
こういった、
「中にはまだオイルがあり、外には摩擦がある」
コンディションは非常に面白いと思います。
内側のオイルを使って走らせ、外へ出したところでNeXパールを反応させる。
パワーエリートらしい大きな曲がりを使いやすくなります。
逆に苦手なレーンは?
万能に見えるパワーエリートですが、当然ながら苦手な場面もあります。
一番分かりやすいのが、
オイルがかなり減ったレーン。
カバーもコアも強いため、手前のオイルが削られた状態では早く反応しすぎる可能性があります。
特に回転量の多いボウラーの場合、
「手前から起きすぎる」
「奥までエネルギーが残らない」
「裏まで行ってしまう」
という現象が出やすくなります。
そうなったら無理にパワーエリートを使い続けるのではなく、カバーの弱いボールへ落としたほうがスコアをまとめやすいでしょう。
フィジックス・パワーエリートが向いている人
特におすすめしたいのは、
- フィジックスシリーズの転がりが好き
- パールでも中盤の安定感が欲しい
- ミディアム〜ミディアムヘビーを攻略したい
- 内側から外へ出すラインを使いたい
- バックエンドだけでなくピン前まで曲がり続けるボールが欲しい
- ピンアクションを重視している
こんなボウラーです。
逆に、
「ほとんど曲がらないボールが欲しい」
「ドライコンディション中心で投げたい」
という人には、少し強すぎる可能性があります。
パワーエリートは「走るフィジックス」というだけではない
パワーエリートを単純に、
「フィジックスをパールにして走りを出したボール」
と考えると、このボールの魅力を半分しか説明できません。
重要なのは、
手前の走り
↓
中盤の転がり
↓
ブレイクポイントからのストロングアーク
↓
ピンヒットまで残るエネルギー
という一連のつながりです。
どこか一部分だけが突出しているのではなく、一連のボールモーションが非常にまとまっています。
だからこそ、発売から時間が経っても名前が挙がるモデルなのだと思います。
初代フィジックスとの違いは?
初代フィジックスは、
NRGハイブリッドリアクティブ × アトミックコア
という組み合わせでした。
こちらはミディアムヘビー向けで、オイルへの対応力を重視したモデルです。
対してパワーエリートは、
NeXパールリアクティブ × アトミックコア。
同じアトミックコアでもカバーが違うため、レーン手前の走りやバックエンドでの反応が変わります。
簡単にイメージするなら、
初代フィジックス → オイルをしっかり掴んで曲げる
パワーエリート → 走りを作りながら奥で大きく曲げる
という使い分けです。
中古で購入するなら注意したいポイント
2020年発売のモデルなので、現在パワーエリートを探す場合は中古ボールやデッドストックが中心になると思います。
中古の場合はスペックだけでは判断できません。
特に確認したいのが、
使用ゲーム数・プラグ歴・表面状態・オイル抜きの履歴
です。
新品当時のNeXパールのリアクションと、何百ゲームも使用した個体では当然動きが変わります。
「パワーエリートは名球らしいから買う!」
だけで決めるのではなく、状態と価格のバランスを見ることをおすすめします。
フィジックス・パワーエリートを5段階評価
| 性能 | 評価 |
| 走り | ★★★★☆ |
| 中盤のキャッチ | ★★★★☆ |
| 曲がり幅 | ★★★★★ |
| バックエンド | ★★★★★ |
| ピンアクション | ★★★★★ |
| コントロール性能 | ★★★★☆ |
| オイルへの強さ | ★★★★☆ |
| 扱いやすさ | ★★★★☆ |
※評価はスペック・公式リアクション特性などを踏まえた本記事独自の目安です。
個人的に特に高く評価したいのは、
曲がり幅・バックエンド・ピンアクション。
ただ曲がるだけではなく、ピンへ向かうまでボールの力強さを感じさせる設計がフィジックスらしいところです。
まとめ
フィジックス・パワーエリートは今でも語りたくなる名球
フィジックス・パワーエリートは2020年に発売された日本限定モデルです。
現在の最新ボールと比較すれば表面仕上げやカバーストックのトレンドは変化しています。
それでも、
NeXパールリアクティブ × アトミックコア
という組み合わせが生み出したボールモーションには、今振り返っても魅力があります。
手前はスムーズ。
中盤からしっかり転がる。
ブレイクポイントでは大きなストロングアーク。
そして最後はフィジックスらしい強烈なピンアクション。
特に、
「パールの走りは欲しい。でも奥だけで急激に動くボールより、中盤からしっかり転がってほしい」
というボウラーには非常に面白いボールです。
フィジックスシリーズには数多くのモデルがあります。
その中でもパワーエリートは、単なる過去モデルとして片付けるには惜しい一球。
中古ショップなどで状態の良い個体を見つけたら、今でも候補に入れてみたくなるボールです。
「走り・曲がり・転がり・ピンアクション」
この4つを高いレベルでまとめたことこそ、フィジックス・パワーエリートが多くのボウラーから支持された理由ではないでしょうか。


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