Roto Grip IDOL (アイドル)レビュー|安定感と扱いやすさが魅力の万能ボール

ロトグリップ

はじめに

ボウリングボールには、「とにかく大きく曲がるボール」だけではなく、レーンをしっかり読みながら安定したラインを作れるボールがあります。

その代表格として、今でも多くのボウラーから名前が挙がるのが、ROTO GRIPの**「IDOL(アイドル)」**です。

アイドルは2018年に登場したHP3ラインのボール。

低RG・高ディファレンシャルのIkon(アイコン)コアと、強いソリッドリアクティブカバーであるMicroTrax-S18を組み合わせ、手前からしっかりレーンを捉えながら、バックエンドまでスムーズにつながる動きを特徴としていました。

ROTO GRIP「アイドル」とは?

ROTO GRIPのアイドルは、2018年3月に発売されたボウリングボールです。

当時のROTO GRIP HP3ラインに登場し、メーカー側はハイワイヤー(HAYWIRE)の後継となるようなボールとして位置づけていました。

実際のレビューでも、ハイワイヤーに近いミッドレーンの動きを持ちながら、アイドルのほうが全体的なフック量が強いという評価がされています。

アイドルの特徴を一言で表現するなら、

「強いのに暴れにくい、安定感のあるベンチマークボール」

です。

アイドルのスペック

まずはアイドルの基本スペックを確認してみましょう。

項目スペック
ボール名IDOL(アイドル)
メーカーROTO GRIP(ロトグリップ)
発売2018年3月
カバーストックMicroTrax-S18 Solid Reactive
カバータイプソリッドリアクティブ
コアIkon(アイコン)
コアタイプシンメトリー
表面仕上げ2000グリット
RG(15lb)2.490
Differential(15lb)0.052

15ポンドではRG 2.49、Differential 0.052というスペック。

低RG・高ディファレンシャルのシンメトリーコアによって、レーン中盤での立ち上がりとフレア性能を両立しています。

アイドルの特徴

アイドルのカバーストック「MicroTrax-S18」

アイドルを語るうえで重要なのが、MicroTrax-S18 Solid Reactiveです。

ROTO GRIPはこのカバーストックについて、当時の同ブランドにおけるナノテクノロジーの強い配合として説明していました。

さらに、従来のMicro DNAカバーストックよりもトラクションを強化したカバーとして開発されています。

つまりアイドルは、カバーそのものがしっかりレーンを捉えるタイプ。

これが、アイドル特有の

「手前からしっかり転がる」

「中盤で安定する」

「バックエンドで急激に暴れず、スムーズにつながる」

という動きにつながっています。

Ikonコアが生み出すアイドルの動き

アイドルには、Ikon(アイコン)というシンメトリーコアが搭載されています。

15ポンドでRG2.49、ディファレンシャル0.052というスペックからも分かるように、非常に回転を立ち上げやすく、フレアポテンシャルも高いコアです。

一般的に、

低RG → ボールが早く回転し始めやすい

高Differential → フレアが大きくなりやすい

という特徴があります。

アイドルの場合、このコアと強いMicroTrax-S18カバーが組み合わさることで、かなり存在感のあるボールリアクションになります。

アイドルのボールの動きを徹底解説

アイドルをレーン上の動きで表現すると、

「早めにレーンを捉えて、強く転がり、スムーズに曲がる」

というタイプです。

イメージとしては、

手前

しっかり走るというより、早めにレーンを捉える

中盤

強い転がりで方向を変え始める

バックエンド

急激に跳ねるというより、滑らかにポケットへ向かう

という動き。

レビューでもアイドルは「early, strong and smooth(早く、強く、スムーズ)」な動きとして評価されています。

「曲がる」のに暴れにくいのがアイドルの魅力

アイドルの面白いところは、フック量がしっかりあるのに、ボールがレーン奥で突然暴れにくいこと。

これは大会やリーグ戦で非常に大きなメリットになります。

例えば、バックエンドが強く反応するボールの場合、

「少し外ミスしたら一気に戻ってくる」

「少し内ミスしたらポケットに届かない」

ということがあります。

アイドルの場合は比較的スムーズに方向転換するため、ボールの動きを読みやすく、ライン調整もしやすいのが特徴です。

アイドルはどんなコンディションに強い?

アイドルが特に得意とするのは、

ミディアム~ミディアムヘビー

付近のコンディションです。

特にオイル量がある程度残っているフレッシュでは、アイドルの強いカバーストックが活きてきます。

実際のテストでは、ヘビーオイル用パターンで3タイプのボウラーがフレッシュから良好なリアクションを得ており、ミッドレーンをしっかり読んでくれることでブレイクポイントにある程度のミス幅を作れたと評価されています。

アイドルはハウスコンディションでも使える?

もちろん使えます。

ただし、注意したいのがレーン手前のオイル量です。

アイドルは2000グリットの表面仕上げと強いソリッドカバーを採用しているため、オイルが少ないレーンで外へ出しすぎると、手前からボールが動きすぎる可能性があります。

そのため、

「外に出して曲げる」

というより、

「オイルをしっかり使いながら、ある程度内側からラインを作る」

ほうがアイドルの良さを引き出しやすいでしょう。

アイドルのおすすめライン

アイドルを使う場合、基本的には無理に大きな角度をつける必要はありません。

むしろ、

オイルの中をしっかり使って、ブレイクポイントへ送り出す

というラインがアイドルの特徴を活かしやすいでしょう。

例えばフレッシュでは、

「内側から少し外へ出して、ポケットへ戻す」

というライン。

レーンが変化してきたら、少しずつインサイドへ移動していきます。

アイドルは、こうしたボールとレーンの変化を感じながらラインを調整する投球と相性が良いボールです。

アイドルのメリット

① 強いのにスムーズ

アイドル最大の魅力です。

単純にフック量が大きいだけではなく、ボール全体が滑らかに動きます。

② レーンを読みやすい

手前・中盤・バックエンドの動きが比較的分かりやすいため、アジャストの基準を作りやすいボールです。

③ ベンチマークボールとして優秀

「今日はどのくらいオイルがある?」

「どのくらいボールが動く?」

を確認するための基準球としても非常に優秀です。

実際、レビューではアイドルをベンチマークボールとして評価する声もあります。

④ さまざまな投球スタイルに対応しやすい

低回転・高回転、スピードタイプなど、投球スタイルによって見え方は変わります。

しかし、アイドル自体のボールリアクションが極端に特殊ではないため、幅広いタイプのボウラーが使えるボールとして評価されています。

アイドルのデメリット

① オイルが少ないと強すぎる場合がある

アイドルは弱いボールではありません。

2000グリットのソリッドカバー+低RG・高ディファレンシャルなので、オイルが少ないコンディションでは手前から動きすぎる可能性があります。

② 走ってキレるボールではない

「手前はスッと走って、奥で一気に曲がる」

というボールを求めている人には、アイドルは少し違います。

アイドルはもっと前半からレーンを読み、強く転がっていくタイプです。

③ ボールスピードが遅い人は特に注意

ボールスピードが遅く、回転数が多いボウラーの場合、アイドルの強さを持て余す可能性があります。

その場合は、

  • 表面を少し調整する
  • 内側から投げる
  • より弱いボールへ変更する

などの対応が必要になるでしょう。

アイドルは初心者におすすめ?

個人的には、初心者が最初に購入する1個としては少し強めだと考えます。

ただし、ある程度ボウリング経験があり、

「もっとレーンをしっかり読めるボールが欲しい」

「大会用のボールが欲しい」

「ハウスボールからマイボールへステップアップしたい」

という人には非常に魅力的です。

特にボールの動きを勉強したい人にとって、アイドルは良い教材になるでしょう。

アイドルは中級者・上級者におすすめ

むしろアイドルの本領が発揮されるのは、中級者~上級者でしょう。

理由は、アイドルが単純に「投げれば曲がる」ボールではないからです。

レーンのオイル量やボールの速度、回転数、投球ラインによってリアクションが変わります。

つまり、

「アイドルをどう使うか」

を考える余地が非常に大きい。

大会でボールラインナップを組むときにも、強いボールと弱いボールの間をつなぐ基準球として考えやすいでしょう。

アイドルとIQツアー系の違い

アイドルと比較されやすいボールの一つが、STORMのIQ TOUR系です。

どちらもシンメトリー系のコントロール性能を意識したボールですが、アイドルのほうがより強いカバーストックと高いディファレンシャルによって、全体的なフック量とオイルへの対応力が強いと考えられます。

実際のレビューでも、アイドルはIQ Tour Solidより強いベンチマーク系の選択肢として評価されています。

簡単にイメージすると、

IQ TOUR系
→ よりコントロール寄り

アイドル
→ コントロール性能を残しながら、より強い

という違いです。

アイドルとハイワイヤーの違い

メーカー自身がアイドルをハイワイヤーの次世代モデルとして位置づけていたこともあり、比較対象として非常に分かりやすい組み合わせです。

アイドルはハイワイヤーと似たミッドレーンの動きを持ちながら、より全体的なフック量が強い設計でした。

つまり、

ハイワイヤーのようなコントロール性能が好きだけど、もう少し強さが欲しい

というボウラーには、アイドルは非常に魅力的な存在だったと言えます。

アイドルシリーズには派生モデルも存在する

「アイドル」と一言で呼ばれることがありますが、実はアイドルシリーズには複数のモデルがあります。

代表的なのが、

  • IDOL
  • IDOL Pearl
  • IDOL Pro
  • IDOL Synergy
  • IDOL Helios
  • IDOL Cosmos

などです。

例えばIDOL Pearlはパール系カバー、IDOL SynergyはeTrax Hybrid、IDOL HeliosはXtremeTrax Solidを採用するなど、それぞれ性格が異なります。

そのため、中古ボールなどで「アイドル」を探す場合は、モデル名まで確認することが重要です。

現在の「Optimum Idol」と初代アイドルは別物

ここはブログ記事としても非常に重要なポイントです。

2024年には**ROTO GRIP Optimum Idol(オプティマム・アイドル)**が登場しました。

Optimum Idolは初代アイドルのコンセプトを受け継ぎながら、MicroTrax Solid系カバーとIkonコアにA.I. Core Technologyを組み合わせたモデルです。

Optimum Idolの15ポンドは、RG 2.47、Differential 0.056とされています。

初代アイドルの15ポンドがRG 2.49、Differential 0.052なので、スペック上も完全に同一ではありません。

したがって、今回紹介している記事の「アイドル」は、2018年発売の初代IDOLを指しています。

まとめ

ROTO GRIP「アイドル」は今でも語り継がれる名作

ROTO GRIPのアイドルは、単純に「よく曲がるボール」ではありません。

その魅力は、

強いカバーストック

低RG・高ディファレンシャルのシンメトリーコア

2000グリットの表面仕上げ

によって作られる、強く・早く・スムーズなボールリアクションにあります。

特に魅力的なのが、

「強いけど暴れない」

という絶妙なバランス。

オイルがしっかりあるコンディションでは手前から安定してレーンを読み、ミッドレーンで強く転がり、バックエンドまでスムーズにつながります。

そのため、

  • ベンチマークボールが欲しい
  • ミディアム~ミディアムヘビーを攻略したい
  • 強いけど扱いやすいボールが欲しい
  • 大きなキレより安定感を重視したい
  • 大会用のボールラインナップを充実させたい

というボウラーには、非常に魅力的なボールです。

発売から時間が経った現在でも、アイドルの名前がボウラーの間で語られるのは、それだけ完成度の高いボールリアクションを持っていたからでしょう。

そして現在は「Optimum Idol」という形でアイドルの名前が復活しています。

初代アイドルを知っているボウラーならもちろん、知らない世代のボウラーにも、「ベンチマークボールとは何なのか」を知るうえで一度は触れてほしい名作です。

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