はじめに
「もっとメンタルを強くしないと」
スポーツでミスをしたとき、仕事で失敗したとき、僕自身もこんなふうに考えることがあります。
特にボウリングをしていると、メンタルの重要性を感じる場面はかなり多いです。
ストライクが続いていたのに、たった1投のミスから崩れてしまう。
10ピンをミスしてイライラし、そのまま次のフレームまで引きずってしまう。
「ここでストライクが欲しい」と考えすぎて、普段通り投げられなくなる。
技術的にはいつもとそれほど変わらないはずなのに、心の状態ひとつで投球まで変わってしまいます。
そんな「メンタル」について、少し違った考え方を教えてくれるのが、長谷部誠さんの『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』です。
この本を読んで特に印象に残ったのは、
メンタルは無理やり強くするものではなく、良い状態に整えておくもの
という考え方でした。
今回は『心を整える。』を読んで感じたことや、スポーツ、特にボウリングにも活かせそうだと思った部分について紹介します。

『心を整える。』はどんな本?
『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』は、元サッカー日本代表の長谷部誠さんが、自身の経験をもとにメンタルとの向き合い方をまとめた一冊です。
タイトルだけを見ると、
「精神的に強くなるための本なのかな?」
と思うかもしれません。
僕も最初はそんなイメージを持っていました。
しかし実際に読んでみると、「気合いで乗り越える」「絶対に弱音を吐かない」といった根性論とはかなり違います。
むしろ大切にされているのは、日常生活や考え方を少しずつ整えること。
特別な才能がある人だけにできる方法ではなく、普段の生活の中で実践できる考え方が多いのが、この本の魅力だと感じました。
著者・長谷部誠とは?
長谷部誠さんといえば、長年サッカー日本代表で活躍し、日本代表のキャプテンも務めた選手です。
ただ、長谷部さん自身は「圧倒的な個人技だけで勝負する選手」というタイプではありませんでした。
だからこそ興味深い。
派手なプレーだけではなく、周囲との関係、準備、自己管理、そして自分の心の状態を整えることで、長期間にわたってトップレベルで結果を残してきた選手です。
『心を整える。』には、その背景にどんな考え方や習慣があったのかが書かれています。
サッカーの話も出てきますが、内容自体はサッカー選手だけに向けたものではありません。
仕事、人間関係、勉強、そして他のスポーツにも置き換えて読むことができます。
『心を整える。』を読んで印象に残ったこと
① メンタルは「強くする」より「整える」
この本を読んで、一番考え方が変わった部分です。
スポーツではよく、
「メンタルが弱い」
「もっと精神的に強くならないと」
と言います。
でも、そもそも人間なので緊張もします。
ミスをすれば落ち込みますし、腹が立つことだってあります。
それを全部なくして「何が起きても動じない人間」になろうとすると、かなり難しい。
だったら、乱れないことを目指すのではなく、
乱れたときに元の状態へ戻れるようにする。
僕はこの考え方のほうが現実的だと感じました。
② 結果ではなく「自分ができること」に集中する
スポーツをしていると、どうしても結果が気になります。
「絶対勝ちたい」
「200点を打ちたい」
「ここでストライクが欲しい」
ボウリングなら特にスコアが常に目の前に表示されているので、結果を意識しないほうが難しいかもしれません。
でも、
「ストライクになるか」
を完全にコントロールすることはできません。
良い投球をしても10ピンが残ることがあります。
逆に失投したのにストライクになることもあります。
自分がコントロールできるのは、
・いつも通り構える
・狙ったスパットを見る
・力まずに助走する
・しっかり腕を振る
・投球後にレーンを見る
といった部分です。
結果ばかり考えて心を乱すより、自分が今できることに集中する。
これはボウリングでもかなり重要な考え方だと思います。
③ ミスをいつまでも引きずらない
僕がボウリングで特に難しいと思うのがこれです。
簡単なスペアをミスすると、
「なんで今の取れなかったんだ……」
と考えてしまう。
そして次の投球でも、
「さっきのミスがもったいなかった」
と考える。
気がつけば、投げているのは今なのに、頭の中ではずっと前のフレームを投げています。
でも、終わった投球をやり直すことはできません。
大切なのは反省しないことではなく、
反省したら次の1投に意識を戻すこと。
これは簡単そうで、実際にやるとかなり難しいです。
だからこそ「心を整える」という考え方が必要なのだと思いました。
ボウリングに『心を整える。』の考え方を取り入れてみる
この本はサッカー選手が書いた本ですが、僕はボウリングとの相性もかなり良いと思っています。
なぜなら、ボウリングはメンタルの影響が非常に大きいスポーツだからです。
例えば、
1フレーム目:ストライク
2フレーム目:ストライク
3フレーム目:ストライク
4フレーム目:ストライク
ここまで続いたらどうでしょう。
おそらく少しずつ、
「今日は300出るかも」
と考え始めます。
さらにストライクが続けば、普段なら何も考えずにできている投球でも緊張してきます。
これは技術が突然なくなったわけではありません。
変わったのは「心の状態」です。
だからこそ、ボウリングでは技術を磨くことと同じくらい、
普段の自分の状態に戻る方法を持っておくこと
が重要なのではないでしょうか。
僕なら「投球前のルーティン」を作る
『心を整える。』をボウリングに活かすなら、個人的におすすめしたいのがルーティンです。
例えば、
ボールを持つ
↓
一度息を吐く
↓
立ち位置を確認する
↓
スパットを見る
↓
構える
↓
投球する
毎回これを繰り返します。
ストライクの後でも同じ。
スプリットの後でも同じ。
簡単なスペアをミスした後でも同じ。
スコアによってやることを変えるのではなく、毎回同じ準備をする。
これだけでも「今の1投」に意識を戻しやすくなると思います。
『心を整える。』の良かったところ
読んでいて良かったのは、難しいメンタルトレーニングの専門書ではないところです。
「今日から全部変えなければいけない」
という内容ではありません。
むしろ、
「これは自分にもできそうだな」
と思える考え方が見つかります。
そして、長谷部さん自身の経験が書かれているので、単なる精神論として終わらないところも読みやすいです。
成功した話だけではなく、思い通りにならない状況とどう向き合ったのか。
そこに説得力があります。
逆に少し気になったところ
もちろん、すべての人に完璧に合う本ではないと思います。
56の習慣が紹介されているため、
「全部実践しなければ」
と思って読むと少し疲れるかもしれません。
僕は全部を取り入れる必要はないと思います。
56個読んで、
「これなら自分にもできそう」
と思ったものが3つ見つかれば、それだけでも十分です。
自己啓発本は読んだ瞬間だけやる気になって、数日後には元に戻ってしまうこともあります。
だからこそ、一気に人生を変えようとするのではなく、一つだけ生活に取り入れてみる。
そんな読み方が『心を整える。』には合っている気がしました。
『心を整える。』はこんな人におすすめ
特におすすめしたいのは、
・本番になると緊張してしまう人
・ミスを引きずりやすい人
・感情の波が結果に出やすい人
・仕事やスポーツで結果を出したい人
・メンタルを強くしたいと思っている人
・試合になると普段通りのプレーができない人
です。
そして個人的には、ボウリングをしている人にも読んでほしい一冊です。
ボウリングでは、技術やボール選びばかりに目が向きがちです。
もちろんそれらも大切です。
でも、大事な場面でいつもの投球ができるかどうか。
そのためには「心の状態」も無視できません。
『心を整える。』を読んで一番感じたこと
僕がこの本を読んで感じたのは、
「強い人=何も感じない人」ではない
ということです。
緊張することもある。
落ち込むこともある。
イライラすることもある。
それでも、自分なりの方法で元の状態へ戻していく。
これが本当の意味でメンタルが安定しているということなのかもしれません。
ボウリングでも同じです。
ミスを一度もしない人になることは難しい。
だったら、
ミスをした後に崩れない人になる。
そのほうがスコアアップにつながるのではないでしょうか。

まとめ|
心を強くする前に、心を整えてみよう
『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』は、単純に「メンタルを強くしよう」という本ではありません。
日々の小さな行動や考え方を変えることで、自分の心を良い状態に保っていく。
そんなメンタルとの付き合い方を教えてくれる本です。
僕自身、ボウリングをしていると、
「もっとメンタルが強かったらな」
と思うことがあります。
でも、この本を読んでからは、
「強くしなければ」
ではなく、
「今、自分の心は整っているかな?」
と考えるほうが大切なのかもしれないと思いました。
技術を練習する。
ボールを選ぶ。
レーンを読む。
それと同じように、自分の心を整える。
試合や大会で「練習ではできるのに、本番ではうまく投げられない」と感じているボウラーにとっても、一度読んでみる価値のある一冊だと思います。



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