はじめに
「練習では投げられるのに、大会になると緊張してしまう」
「大事な場面になると力が入ってしまう」
「ミスをすると、その後の投球まで引きずってしまう」
ボウリングを競技として続けていると、こうした悩みに一度は直面するのではないでしょうか。
ボウリングは、技術やボール選びだけでなく、本番で自分の力を発揮できるかどうかが非常に重要なスポーツです。
そんな「競技者のこころ」に向き合った一冊が、土屋裕睦氏の**『アスリートのための「こころ」の強化書 メンタルトレーニングの理論と実践』**です。
今回はこの本を、特にボウラー目線から紹介していきます。
『アスリートのための「こころ」の強化書』とは?
『アスリートのための「こころ」の強化書』は、スポーツ心理学を専門とする土屋裕睦氏が執筆した、メンタルトレーニングの理論と実践について学べる一冊です。
2025年2月に草思社から刊行され、272ページ、定価は税込2,640円です。
著者の土屋裕睦氏は大阪体育大学教授で、公認心理師、スポーツメンタルトレーニング上級指導士として、学生アスリートやプロスポーツチーム、日本代表選手などの心理サポートにも携わってきた人物です。
本書では、競技者が抱える「こころ」の問題について、具体的な事例を入口に、理論や実践方法を学べる構成になっています。

なぜボウラーにおすすめなのか?
この本がボウリングと相性がいい理由は、「本番で実力を発揮する」というテーマを扱っているからです。
ボウリングでは、練習と大会で投球が変わってしまうことがあります。
例えば、
- 練習では200点を出せる
- 大会になると170点前後になる
- 9フレームまでストライクが続くと急に緊張する
- スペアを取らなければと思うと手が固まる
- ミスをすると次の投球まで引きずる
- 周りのスコアが気になってしまう
こうした問題は、単純な技術不足だけでは説明できません。
「どうすれば本番で自分の力を発揮できるのか?」
この部分を考えるうえで、本書は非常に参考になります。
本書で特に注目したい5つのポイント
①「あがり」について考えられる
ボウリングでは、重要な場面になるほど緊張することがあります。
「ここでストライクを出せば200点」
「この1投で勝敗が決まる」
「あと1回ストライクを出せばパーフェクト」
そんな場面では、普段なら自然にできている動作まで意識してしまうことがあります。
本書には**「あがりの予防と対処法」**という章があり、競技場面での緊張について考えるきっかけになります。
ボウリングで「プレッシャーに弱い」と感じている人には、特に興味深い部分でしょう。
② 目標設定について学べる
本書では**「行動変容のための目標設定」**も扱われています。
ボウリングでは、
「次の大会で200点を出す」
「アベレージを10点上げる」
といった目標を設定する人も多いでしょう。
もちろんスコア目標は大切です。
しかし、スコアだけを追いかけてしまうと、思うような結果が出なかったときに気持ちが落ち込んでしまいます。
そこで、
「結果」だけではなく「自分がどう行動するか」
という視点を持つことが重要になります。
例えば、
- 毎回同じルーティンを行う
- 投球前に呼吸を整える
- 狙うスパットを明確にする
- 1投ごとに集中する
- ミスした後に気持ちを切り替える
こうした行動目標を設定することで、練習の質も変わってきます。
③ リラクセーションを学べる
大会になると、
「体に力が入りすぎる」
というボウラーも少なくありません。
特に、
「絶対にストライクを出したい」
と思えば思うほど、腕や肩に力が入ってしまうことがあります。
本書では**「リラクセーションのすすめ」**というテーマも扱われています。
ボウリングではスイングやリリースの再現性が重要なので、必要以上に力が入ってしまうことは避けたいところ。
「緊張する=ダメ」ではなく、緊張した状態でも自分のパフォーマンスを発揮できるように準備する。
この考え方は、ボウラーにとって非常に参考になります。
④ イメージトレーニングについて学べる
本書には**「心と身体をつなぐイメージトレーニング」**という章もあります。
ボウリングでは、投球前に
「このラインを通して、ポケットに入れる」
というイメージを持つことがあります。
例えば、
立ち位置 → スパット → ブレイクポイント → ポケット
というボールの軌道を投球前にイメージする。
こうした「投げる前の準備」を意識することは、ボウリングのルーティンを作るうえでも役立ちます。
もちろん、本を読んだからといって急にストライク率が上がるわけではありません。
大切なのは、学んだ考え方を実際の練習や大会で試してみることです。
⑤ 試合前の「心理的準備」を考えられる
本書では、**「メンタルリハーサル:試合に向けた心理的準備」**についても扱われています。
これはボウリングにも取り入れやすい考え方です。
例えば大会前に、
「最初のゲームで緊張したらどうする?」
「1フレーム目でミスしたら?」
「オイルの変化を感じたら?」
「終盤でプレッシャーを感じたら?」
といった状況をあらかじめ考えておく。
すると、実際に問題が起きたときにも、
「想定していたことが起きた」
と考えやすくなります。
大会前の準備は、ボールやシューズだけではありません。
こころの準備も立派な試合準備です。
ボウリングで実践するなら?
この本を読んだ後は、ぜひ実際の練習で試してみてください。
おすすめは、「投球前のルーティン」を作ることです。
例えば、
STEP1|アプローチに立つ
まず一度深呼吸。
STEP2|狙いを確認する
「今日は○枚目を通す」と決める。
STEP3|投球をイメージする
ボールがスパットを通り、ポケットへ向かう軌道をイメージ。
STEP4|投げる
余計なことを考えず、いつものリズムで投球。
STEP5|投球後に切り替える
ストライクでもミスでも、次の投球に向けて気持ちをリセット。
これを繰り返して、自分なりのルーティンを作っていきます。
「メンタルが弱い」と思っている人に読んでほしい
本書の大きな魅力は、単純に「気合いでメンタルを強くしよう」という内容ではないことです。
メンタルを「強い・弱い」だけで判断するのではなく、競技者が抱える悩みを成長につなげていく視点が示されています。
だからこそ、
「自分はメンタルが弱いからダメだ」
と悩んでいるボウラーにも読んでほしい一冊です。
緊張すること自体を悪いことと決めつけるのではなく、緊張した状態でもどう自分の力を発揮するかを考えてみましょう。
『アスリートのための「こころ」の強化書』はこんな人におすすめ
◎ 特におすすめ
- 大会で緊張してしまう
- 練習と大会でスコアが大きく違う
- 勝負どころで力が入る
- ミスを引きずりやすい
- ボウリングのメンタルを本格的に学びたい
- メンタルトレーニングを練習に取り入れたい
- 技術だけでなく心理面も成長させたい
△ こんな人には少し難しく感じるかも
- とにかく簡単な自己啓発本を読みたい
- 精神論だけを知りたい
- すぐにスコアが上がる方法だけを探している
本書は「読むだけでボウリングが上手くなる本」ではありません。
メンタルトレーニングについて理解し、自分の競技生活に取り入れていくための本だと考えるといいでしょう。
本の基本情報
| 項目 | 内容 |
| 書名 | アスリートのための「こころ」の強化書 |
| 副題 | メンタルトレーニングの理論と実践 |
| 著者 | 土屋裕睦 |
| 出版社 | 草思社 |
| 発売 | 2025年2月 |
| ページ数 | 272ページ |
| ISBN | 978-4-7942-2693-8 |
| 定価 | 2,640円(税込) |
書誌情報は出版社・国立国会図書館などの情報をもとにしています。
『アスリートのための「こころ」の強化書』を読んでみたくなった人へ
ボウリングが上手くなりたいと思ったとき、多くの人はまず、
新しいボールを買う
フォームを改善する
練習時間を増やす
という方法を考えると思います。
もちろん、それらは大切です。
しかし、同じくらい大切なのが、
「本番で自分の力を発揮すること」
です。
せっかく練習して身につけた技術も、大会で発揮できなければ結果につながりません。
『アスリートのための「こころ」の強化書』は、そんな「競技者のこころ」に向き合うための一冊です。
特に、
「練習ではできるのに、大会ではできない」
という悩みを持っているボウラーなら、一度読んでみる価値があるでしょう。

まとめ
ボウリングの上達には「こころ」のトレーニングも必要
ボウリングでは、ボールやフォームばかりに目が行きがちです。
しかし、長く競技を続けていくほど、
「技術だけでは勝てない」
と感じる場面が増えてきます。
大会で緊張する。
勝負どころで力が入る。
ミスを引きずる。
そんな経験があるなら、メンタルトレーニングについて学んでみるのも一つの方法です。
『アスリートのための「こころ」の強化書』は、
「メンタルが弱い自分を変える」
というより、
「自分のこころを理解して、競技力につなげる」
ための本としておすすめしたい一冊です。
ボウリングの技術を磨くのと同じように、こころもトレーニングしてみませんか?
次の大会では、ボールだけではなく「こころ」の準備もして、レーンに立ってみましょう。
※本の価格・在庫・販売状況などは変更される場合があります。購入前に販売ページで最新情報をご確認ください。



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