はじめに
ロトグリップの「グレムリン」シリーズから、さらにオイルへの強さを高めた**ウィキッド・グレムリン(WICKED GREMLIN)**が登場しました。
グレムリンという名前から従来モデルの延長線上にあるボールを想像するかもしれません。
しかし、ウィキッド・グレムリンで注目したいのは、単純に「グレムリンをソリッド化しただけ」ではないところです。
新たに採用されたG-R1ソリッドリアクティブと、初代グレムリンにも搭載されたランジャ MaxDコアの組み合わせによって、
「オイルにはしっかり強い。でも必要以上に手前から噛みすぎない」
という、かなり面白いポジションを狙ったボールになっています。
今回はウィキッド・グレムリンのスペックからボールリアクション、向いているコンディション、どんなボウラーにおすすめなのかまで詳しく見ていきます。
ウィキッド・グレムリンとは?
ウィキッド・グレムリンは、ロトグリップのHP3ラインから登場した非対称コア搭載のソリッドリアクティブボールです。
最大の特徴は、新開発されたG-R1ソリッドリアクティブカバー。
そして内部には、初代グレムリンでも使用されたランジャ MaxDコアが搭載されています。
表面仕上げは2000グリット。
つまり方向性としては、明らかにオイルへの対応力を意識したボールです。
ただし、個人的にこのボールで注目したいポイントは「どれだけ曲がるか」だけではありません。
強いソリッドボールは、オイル量が多いコンディションでは非常に頼りになります。
その一方で、カバーが強すぎると手前でエネルギーを使ってしまい、ピン手前では動きが弱くなってしまうことがあります。
ウィキッド・グレムリンは、その弱点をできるだけ抑えながら、
中盤でしっかりレーンを読み、そこからピンまで動きを持続させる
ことを狙った設計だと考えると、このボールの特徴が分かりやすくなります。
ウィキッド・グレムリンのスペック
| 項目 | スペック |
| ブランド | ROTO GRIP(ロトグリップ) |
| シリーズ | HP3 |
| カバーストック | G-R1 Solid Reactive |
| コア | Rondure MaxD Core(ランジャ MaxD コア) |
| コアタイプ | 非対称 |
| 表面仕上げ | 2000 Grit |
| カラー | Citrine / Red / Purple |
| フレアポテンシャル | High |
| 適正コンディション | Medium〜Medium Heavy |
| RG(15lb) | 2.50 |
| ΔRG(15lb) | 0.058 |
| PSA(15lb) | 0.010 |
15ポンドではRG2.50、ΔRG0.058という数値になっています。
特に注目したいのが0.058という高いΔRGです。
フレア量を確保しやすく、オイルの付着していない新しい面を次々とレーンに接触させやすい設計。
そのため、オイル量がある状況でも安定した摩擦を作りやすくなっています。
ウィキッド・グレムリンの特徴
新開発「G-R1ソリッド」が最大のポイント
ウィキッド・グレムリンを語るうえで外せないのが、新しいG-R1ソリッドリアクティブです。
このカバーは単純に「とにかく噛む強いソリッド」を狙ったものではありません。
オイル上で必要なトラクションを確保しながら、中盤からバックエンドへスムーズにつなげていくことが大きな特徴です。
ここが非常に重要です。
ボールの強さというと、
「曲がる=強い」
と思われがちですが、実際のボール選びではそれほど単純ではありません。
手前から噛みすぎるボールは、確かに早い段階から曲がり始めます。
しかし、その分だけエネルギーを消費してしまえば、ポケット付近でボールが前に進まなくなる場合があります。
ウィキッド・グレムリンが狙っているのは、
オイルをキャッチする能力と、ピンまで動き続ける能力の両立。
このバランスこそ、このボール最大の魅力だと思います。
ランジャ MaxDコアとの組み合わせ
内部に採用されているのはランジャ MaxDコア。
グレムリンシリーズの特徴を作ってきた非対称コアです。
15ポンドでRG2.50、ΔRG0.058というスペックからも分かるように、決しておとなしいコアではありません。
しっかりフレアを出しながら、中盤からボールを立ち上げていくタイプです。
ただ、ウィキッド・グレムリンの場合は、
「コアで一気に向きを変える」
というより、
G-R1ソリッドで中盤を捉え、ランジャ MaxDでその動きをピンまで持続させる
というイメージのほうが近いでしょう。
そのため、バックエンドだけで急激に飛ぶボールを求める人よりも、レーン全体を使って大きく安定した曲がりを作りたい人との相性が良さそうです。
ウィキッド・グレムリンの曲がり方
リアクションを簡単に表現すると、
「しっかり噛む → 中盤から立ち上がる → 大きく持続する」
タイプです。
パール系ボールのように手前をスキッドさせて、ドライゾーンで急激に方向転換するタイプとはかなり違います。
ウィキッド・グレムリンは中盤から徐々にボールの向きを変えていき、バックエンドでも曲がりを止めずにポケットへ向かっていくイメージ。
つまり、
キレよりもトラクションと継続性。
ここを理解して購入したいボールです。
「強いけれど扱いやすい」が面白い
個人的にウィキッド・グレムリンで一番面白いと感じるポイントです。
強いソリッドボールには、
「オイルには強いけど使える時間が短い」
という問題があります。
例えば朝一番のフレッシュでは最高でも、ゲームが進んで手前のオイルが削れてくると、急激にボールが早くなってしまう。
するとボールチェンジを余儀なくされます。
ウィキッド・グレムリンは強いソリッドでありながら、極端に早く反応させる方向だけを狙った設計ではありません。
そのため、コンディション次第では強い非対称ソリッドから一段下げる選択肢としても面白い存在になります。
「強いボールが欲しい」
ではなく、
「オイルに負けないけれど、最後まで動いてくれるボールが欲しい」
という人に注目してほしいボールです。
どんなレーンコンディションに向いている?
基本的には、
ミディアム〜ミディアムヘビー
が中心になります。
特に使いやすそうなのが、オイルがしっかり残っているフレッシュコンディションです。
投げ始めからオイルに負けてボールが滑ってしまう状況では、G-R1ソリッドのキャッチ力を活かしやすくなります。
また、スポーツコンディションのように内外のミスが大きく出やすいレーンでも、バックエンドで過敏に反応しすぎないボールは武器になります。
逆に注意したいのは、オイル量が少ないコンディションです。
ショートオイルや、かなり手前が削れた状態ではウィキッド・グレムリンの強さが逆効果になる可能性があります。
そのような状況では無理に使い続けず、ハイブリッドやパール系へボールチェンジしたほうがラインを作りやすいでしょう。
ハウスコンディションでも使える?
もちろん使えます。
ただし「いつでも使える万能ボール」というより、
オイルが多い日のハウスコンディションで頼りになるボール
と考えたほうがいいでしょう。
例えば投げ始めに、
「いつものボールだと外へ出した瞬間に抜けてしまう」
「内側のオイルに負けてポケットまで戻ってこない」
という状況。
こういうときにウィキッド・グレムリンの出番です。
ソリッドカバーでオイルを捉えながら、中盤でしっかりボールを立ち上げることができます。
逆に、外側がかなり乾いている典型的なハウスコンディションでは、無理に外へ向けるより少し内側からオイルを使ったラインのほうが合わせやすい可能性があります。
ウィキッド・グレムリンが合いそうなボウラー
特におすすめしたいのは、次のような人です。
- オイル量が多いとボールが滑って困る
- フレッシュ用のボールを探している
- 強いソリッドボールが欲しい
- バックエンドで暴れすぎるボールが苦手
- 中盤をしっかり読んでくれるボールが好き
- トーナメント用の強いボールを探している
- 強さだけでなくコントロール性能も重視したい
特に球速が速く、
「曲げたいのにオイルで滑ってしまう」
というスピード優位タイプには面白い選択肢になるでしょう。
逆におすすめしにくい人
どんなボールにも得意・不得意があります。
ウィキッド・グレムリンの場合、
ライトオイル中心の人には強すぎる可能性があります。
また、
「手前をできるだけ走らせたい」
「バックエンドで一気に向きを変えたい」
という人なら、パール系リアクティブのほうが好みに合う可能性があります。
ウィキッド・グレムリンは「走ってキレる」というより、
中盤からレーンを掴んで曲がり続けるボール。
ここを間違えないことが重要です。
ボールバッグではどこに入る?
個人的には、ここがウィキッド・グレムリンを評価するときにかなり重要だと思います。
ボール単体で「曲がる・曲がらない」を見るより、
バッグのどこに入るのか?
を考えたほうが購入後の失敗が少なくなります。
ウィキッド・グレムリンは、
超強力なヘビーオイル用非対称ソリッド
↓
ウィキッド・グレムリン
↓
ベンチマーク系ソリッド/ハイブリッド
↓
パール系
↓
ドライ用
という流れの中で使いやすいでしょう。
特に「一番強いボールだと手前から噛みすぎる。でもベンチマークまで落とすとオイルに負ける」という状況。
この隙間を埋められるなら、ウィキッド・グレムリンの価値はかなり高くなります。
ウィキッド・グレムリンのメリット
最大のメリットは、やはりオイルへの対応力と持続性のバランスです。
強いソリッドというカテゴリーでありながら、ただ早く噛ませるだけではなく、中盤からバックエンドまでボールの動きをつなげることを狙っています。
さらに高いΔRGを持つランジャ MaxDコアによってフレアポテンシャルも高く、オイル量のあるコンディションでも安定したリアクションを期待できます。
フレッシュから投げられる強いボールを探している人にとっては、大きな武器になるでしょう。
ウィキッド・グレムリンのデメリット
一方で、最大のデメリットもその「強さ」です。
オイルが少ない状況では、ボールが必要以上に早く立ち上がる可能性があります。
特にゲーム後半、手前のオイルが削れてきた状況では注意が必要です。
ウィキッド・グレムリンで無理にラインを内側へ移動し続けるより、もう少しカバーの弱いボールや走るボールへ変更したほうが簡単になるケースもあります。
つまり、
ウィキッド・グレムリン1個ですべてのコンディションを投げようとしないこと。
これが、このボールを活かすポイントだと思います。
まとめ
ウィキッド・グレムリンは「強さ」と「扱いやすさ」を両立したソリッド
ウィキッド・グレムリンは、新開発のG-R1ソリッドリアクティブとランジャ MaxDコアを組み合わせた、ロトグリップの注目モデルです。
特徴をまとめると、
- G-R1ソリッドによる高いオイルキャッチ
- ランジャ MaxDコア搭載
- 非対称コア
- 2000グリット仕上げ
- 高いフレアポテンシャル
- 中盤をしっかり読む
- バックエンドまで持続するリアクション
- ミディアム〜ミディアムヘビー向け
というボールになっています。
個人的に重要だと思うのは、単純な「曲がりの大きさ」だけで評価しないことです。
ウィキッド・グレムリンの魅力は、
オイル上でしっかりボールを立ち上げながら、その動きをピンまで持続させること。
フレッシュで投げるボールが欲しい人や、強いソリッドを投げると手前でエネルギーを使い切ってしまうことに悩んでいる人には、非常に面白い選択肢になるでしょう。
「強いソリッド=とにかく早く曲がる」
そんなイメージとは少し違う。
強いのに、曲がりの形を読みやすい。
それこそが、ウィキッド・グレムリンの大きな魅力ではないでしょうか。



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